2012年3月26日

2年ぶりの六本木アートナイト!帰ってきたエモーショナルな夜




24日、春近い土曜の夜に2年ぶりになる『六本木アートナイト2012』が開催されました。

例年どおり、コアタイムのスタートとなる24日17:56を控え、これに先駆けオープニングセレモニーが六本木ヒルズアリーナで行われました。イベントのマスコットともいえる、草間彌生さんの制作によるヤヨイちゃんが座るステージには、六本木アートナイト2012実行委員会や関係者の面々が列席しました。特別顧問の安藤忠雄さん、武井雅昭港区長、溝畑宏観光庁長官、村山寛司東京都副知事らが次々に登壇し挨拶を終えると、南条史生実行委員長の宣言によりコアタイムがスタートしました。


観光庁とか東京都とか六本木商店街とかいろいろな関係者のみなさんがヤヨイちゃんの前に列席(笑)
特別顧問の安藤忠雄さん
実行委員長の南条史生さん


ここからはつぎつぎに参加アーティストが登場! 日比野克彦さんを先頭に、JAPPY(ジャッピー)とともにAnttenaのみなさん、遠藤一郎さんらが紹介され、最後に草間彌生さんが登場。MCの萩野志保子(テレビ朝日アナウンサー)さんがヤヨイちゃんの愛犬リンリンを紹介し、「夜の六本木にヤヨイちゃんがお散歩にでかけます」と声をかけると座っていたヤヨイちゃんが立ち上がり、同時にたくさんのスポンジボールが弾け、散らばったボールをアーティストが観客席に放り投げるとアリーナの興奮は最高潮に。



「日本をハッピーに」の願いを込めたJAPPY(JAPAN+HAPPY)くんとAntennaのおふたり
ヴィヴィアン佐藤さんを迎えた津村耕佑+武蔵野美術大学による「AIR CUSHION SHOW」
草間さん、日比野さんを中心に参加アーティストが勢揃い


オープニングセレモニー終了後にはオープニングアクトとして、草間彌生さんによる詩の朗読が披露されました。メッセージはプレスプレビューの時と同様に、被災地やこうした不幸な状況におかれた私たちへ思いを寄せたものであり、励ましの心が注がれたものでした。



オープニングアクトを草間彌生さんが務めるというなんて贅沢な夜
また元気なお姿を見せてください!
草間さんの詩にあわせて演奏を担当したテイ・トウワさん


1年前、予定されていた「六本木アートナイト 2011」は東日本大震災の影響による電力不足など、さまざまな理由により中止になりました。中止となった当日の3月26日には実行委員長である南条史生森美術館館長らの呼びかけにより、「ART for Life:東北太平洋沖地震被災者支援シンポジウム」が行われ、僕もトークイベントに登壇させていただきました。そのときのシンポジウムは笑いもあったものも、静かで厳かな夜でした。

それから1年、アーティストが、アートが、この国難にどのように役立てるのか、なにができるのかをつぶさに見てきました。僕が見たのは、多くのアーティストやアート関係者が、直接被災地に赴きボランティアのひとりとして活動する人、アート活動を通して被災地に元気を届けようとする人、仕事の通じて被災地への支援を続ける人、さまざまな姿でそれぞれができる範囲で取り組む姿でした。その成果のひとつが先日、レポートさせていただいた3331 Arts Chiyodaでの『つくることが生きること』展であり、この六本木アートナイトでした。

こうして1年経過し、みんなが震災があったことなど忘れて、狂騒の一夜を迎えるのか思っていたら、みんなの心はまだまだ被災地を忘れてはいませんでした。大きく変わったのは後ろ向きではなく、前を向いて明るく復興を目指そうという姿です。その心を代弁してくれたのが草間さんのメッセージであり、アーティストのみなさんの取り組みではないかと思います。

また、新しい1年を引き続き、つぶさに見ていければと考えています。

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