2012年4月6日

デジタルハリウッド大学大学院でのおしごと。2012年度のゲスト講師について

唐突ですが、昨年2011年からデジタルハリウッド大学大学院の客員教授を務めさせていただいております。実は最近知り合った方は僕を大学の“せんせ”だと勘違いなさっている方が多くて、きちんと説明しなきゃなぁ〜と思っていたので、新学期がはじまるこの時期にちょっとお話しておこうかな、と思ったわけです。

まず、問題はFacebookだと思うのです。Facebookのプロフィール欄は時間列になっているので、最新のお仕事が一番上にきてしまい、それが現在の仕事のように見えてしまいます。実際には「〜から現在」となっている仕事としては、大学院の仕事の下に「フリーランス」があります。以前からお知り合いの方には認知いただいていますが、僕はいまもむかしもフリーランスのジャーナリスト/ライター、というわけです。ですので、取材やインタビューなどのご依頼はいまもむかしも首をながぁああくしてお待ちしております。



実は同学の学長である杉山さんとはそれこそお茶の水で同校を立ち上げられた十数年前(もっと前?)に取材させていただいてからの知り合いです。それが、一昨年末にひょんな事から大学院のお手伝いをするお話をいただき、実際に昨年4月から教壇に立たせていただいております。

僕は、仕事柄20年近くの間に渡ってさまざまなジャンルの数々のクリエイター、アーティストを取材し、インタビューしてきました。有名、無名さまざまで、当時はヒヨッコだった人もいまや簡単にメールも出せなくなっていたりするような方もいます。そうした、いわゆるクリエイティブ系の人脈をうまく活用して、さまざまなクリエイターに、これまでのインタビューよろしく、貴重なお話を聞き出していき、それを受講生が聞いて、自分のクリエイティブに目覚めてもらう、自分のビジネスにうまくつなげていく、といったスタイルで行うのを特徴としたのが僕の講義です。

講義の名称は実は「インタラクティブコンテンツ」というタイトルなのですが、インタラクティブコンテンツにこだわらずに好きなようにやっていい、と言っていただいたのもお手伝いするのを決めた理由のひとつでもありました。昨年の講義でも「インタラクティブな事はまったくやりません」と宣言してからはじめています。

昨年は震災直後の講義開始となった事で、実質的には遅れてのスタートとなったものの、お声がけさせていただいたみなさんからご快諾いただき、大変有意義な講義を行う事ができました。ご登壇いただいたのはメディアアーティストの八谷和彦さんをはじめ、千房けん輔さん(エキソニモ)、アートディレクターの宮田人司さん、アニメーション監督のFROGMANさん、フォトグラファーのJulie Wataiさん、東京ガールズコレクションチーフプロデューサー(当時)の永谷亜矢子さん、さらに特別講義には佐藤卓さんにお越しいただきました。

講義は夏前までの前期だけで終わり、もう1年で用済みかなと思っていたのですが、今年も同様にやってほしいというご要望をいただきましたので、調子に乗って今年も講義をさせていただく事にしました。

そこで今回のゲスト講師はここ数年で特に頭角を表してきた人を中心に出ていただこうと思い、ご登壇をお願いしました。以下が今期の講師陣です。

・加賀谷友典さん:”neurowear”プロジェクト
・玉置泰紀さん :関西ウォーカー編集長
・成瀬つばささん:“リズムシ”シリーズ
・真鍋大度さん :ライゾマティックス
・草野絵美さん :クゥーイー
・遠藤一郎さん :未来美術家

のみなさんです。この他、特別講義に出ていただく方に交渉を進めているところです。

残念ながら講義そのものはあくまで大学院の授業ですので、同学の大学院生でなければ受講できませんし、当然、USTREAMなどでの中継もできませんが、終了後すみやかにFacebookやブログなどで、講義の様子はお知らせしていければと考えていますので、ぜひ楽しみしていただければと思います。

2012年4月5日

武井咲さんが“北のモナリザ”、フェルメール「真珠の耳飾りの少女」に。『マウリッツハイス美術館展』のCMに登場

文句なしの美少女ですが「真珠の耳飾りの少女」とは異なる美しさですね

6月30日に開幕する『マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝』のCMとティザーが完成し、4月4日、リニューアルになったばかりの東京都美術館において披露記者発表会が開かれました。CMは同展のオフィシャルサポーターを務める女優の武井咲(たけい えみ)さんが、ヨハネス・フェルメールの傑作で“北のモナリザ”の異名を持つ「真珠の耳飾りの少女」(1665年頃)に扮して登場するもので、発表会にはCMのものと同じ衣装を着用して登場しました。


マウリッツハイス王立美術館は、オランダ第3の都市であるデン・ハーグにある美術館で、2012年は改修のため休館するということで、フェルメールの初期作品「ディアナとニンフたち」(1653-1654年頃)や「真珠の耳飾りの少女」、フランス・ハルツの「笑う少年」(1625年頃)、レンブラント・ファン・レインの「自画像」(1669年)といった、門外不出と言われる17世紀オランダ絵画の黄金時代の名作のおよそ50点あまりが海を渡る事になります。武井さんも「なかなか日本に来ない名作だとうかがいました。ぜひ見逃さないでください」とコメントしていました。


武井さんはCMで着用した衣装で登場
見えている部分はどこまでも作品に忠実に制作されたそうだ
作品と同じポーズをとる武井さん

今回、武井さんが扮した「真珠の耳飾りの少女」の衣装は、17世紀オランダの時代考証を行いながら、文化服装学院が教師と学生の共同作業で制作しました。作品は上半身のみ、前面も見えていないポーズでかなりの部分の情報がない状態であり、メイドや上流階級の服装、あるいはトルコ風、ジャポニスムの影響もあるなど諸説がある中、マウリッツハイス美術館からの「中流か上流階級の少女」とのアドバイスにより人物設定され、それをもとに制作されました。武井さんによれば「この時代にはまだボタンがなかったそうで、着るのに10分ぐらいかかりました」とのこと。CM制作時には「作品の写真をそばにおいて、とても細かく忠実に再現して」(武井さん)撮影したそうです。

美少女を比較してみると、フェルメールの描いた美少女はちょっとぽってりしたイメージ
武井さんはシャープなイメージといったところでしょうか


「真珠の耳飾りの少女」と言えば、2004年に公開になったスカーレット・ヨハンソン主演の映画「真珠の耳飾りの少女」が思い出されます。アカデミー賞にもノミネートされ、フェルメール作品の色彩や光と陰といった作品世界を映像で表現した作品で、ストーリーはフェルメールの作品にインスパイアされてトレーシー・シュバリエが執筆した同名小説を原作としています。シュバリエはフェルメールと少女の関係を画家と芸術を解するメイドとして描いており、恋愛映画としてカテゴリされています。

実際の絵の少女の素性についてはメイドとする説もあるのですが、いまではフェルメールの娘の一人、マリアだとするのが有力視されているそうです。今回のCMも武井さんの清楚な感じも相俟ってか、お嬢様な仕上がりになっていると感じました。フェルメールの描いた作品世界により近いのはヨハンソンだろうと思いますが、武井さんもまた違う魅力があるな〜、と感じました。

公式サイトに掲載されているスカーレット・ヨハンソンによる「真珠の耳飾りの少女」

[展覧会情報]
展覧会名:マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝

《東京展》
会期  :2012年6月30日(土)〜9月17日(月)
会場  :東京都美術館
休館日 :毎週月曜日(※開館する日もあります。詳細は公式サイトを参照)
開館時間:9:30 〜 17:30(金曜日は20:00まで)、入場は閉館の30分前まで
観覧料 :一般1,600円、学生 1,300円、高校生 800円
     65歳以上 900円、中学生以下は無料
主催  :東京都美術館、朝日新聞社、フジテレビジョン
後援  :オランダ王立大使館
特別協賛:第一生命保険
協賛  :ジェイティービー、ミキモト、凸版印刷
     シュウ ウエムラ
協力  :KLMオランダ航空
お問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)

《神戸展》
会期  :2012年9月29日(土)〜2013年1月16日(日)
会場  :神戸市立博物館
休館日 :毎週月曜日(※開館する日もあります。詳細は公式サイトを参照)
開館時間:9:30 〜 17:00 入場は閉館の30分前まで
観覧料 :一般1,500円、高校・大学生 1,100円
     小・中学生 600円
主催  :神戸市立博物館、朝日新聞社、関西テレビ放送
後援  :在大阪・神戸オランダ総領事館(神戸展)
特別協賛:第一生命保険
協賛  :ジェイティービー、ミキモト、凸版印刷
     シュウ ウエムラ
協力  :KLMオランダ航空
お問い合わせ:078-391-0035(神戸市立博物館)

2012年4月4日

大きく変わる上野アートエリア。東京都美術館のリニューアルオープン、上野恩賜公園にはスタバとレストランも新設

2年間の大規模改修工事を終えてリニューアルオープンした東京都美術館

ほとんどの方は上野という場所には、動物園とかお花見、はたまたアメ横ってイメージしかないと思いますが、上野は東京国立博物館をはじめとした美術館、博物館が集中している日本屈指のアートエリアでもあるのです。その中のひとつ、東京都美術館が4月1日にリニューアルオープンしました。


同館は大正15年(1926年)に東京府美術館として実業家・佐藤慶太郎氏の寄付により創設されたもので、昭和50年(1975年)に建築家・前川國男氏の設計による現在の建物が建築されました。前川氏は日本を代表する建築家で、公園を挟んで向こう側には師であるル・コルビジェの設計による国立西洋美術館(本館)があります。

今回、開館して35年を経過して施設や設備が老朽化した事により、躯体を残して大規模な改修工事がおよそ2年に渡って行われていました。特に企画展を行えるように展示室の大幅な刷新をおこなった企画棟は、外装の打ち込みタイルを新たに製造してほとんど建替えに近い大掛かりなものになりました。同じ敷地内に天井高4.5mで最新の展示設備に対応した3つの大きな企画展示室を備えており、今後、開催される企画展に対応していきます。

目玉となる企画展の第一弾は6月30日から「マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝」が予定されており、秋には10月6日より「メトロポリタン美術館展」が行われます。

ほぼ建替えに近い全面的な改修となった企画棟
企画棟には鑑賞の合間に休憩できるスペースが用意されている

平屋だった中央棟は2階建てへと増築され、LB階にミュージアムショップが増床してオープン、2階にはパティオを見下ろすようにメインダイニング「MUSEUM TERRACE(ミュージアム・テラス)」が、1階の北側に面して整備されたアプローチの向こうに旧東京音楽学校奏楽堂を望む場所にカフェ「M CAFE(エム・カフェ)」が新設されました。また、これまで同館には正式な来館者用のオープンスペースがありませんでしたが、今回、インフォメーションも兼ねた「佐藤慶太郎アートラウンジ」が1階に設けられました。さらに交流棟も改修され、1Fには美術情報室が設置され、同館のグランドレストランに位置づけられるちょっと高級な洋食レストラン「IVORY(アイボリー)」が新設されました。


平屋だった中央棟は2階が増築され、1Fにミュージアムショップ、
2Fにレストランなどが新設された
中央棟2Fに新設されたメインダイニング「MUSEUM TERRACE」
1Fのミュージアムショップは拡張してオープン
交流棟に新設された、新しい洋食を提案するレストラン「アイボリー」
2,500円から5,000円のコースメニューが中心
インフォメーションラウンジとして新設された「佐藤慶太郎記念アートラウンジ」

東京都美術館がリニューアルになって、かなり雰囲気も変わってきた上野の森ですが、公園自体もさらに大きく変わりつつあります。上野恩賜公園はここ数年、大幅な改修工事を進めており、現在、同公園の中心的な存在である大噴水をはじめとした竹の台広場と呼ばれるエリアの大規模な改修を進めています。

この竹の台広場の南側部分が4月14日に開放され、18日には2つのオープンカフェがオープンします。ひとつはJR上野駅、国立西洋美術館寄りには「上野の森パークサイドカフェ」です。もうひとつは東京都美術館、恩賜上野動物園寄りの「スターバックスコーヒー 上野恩賜公園店」です。

スターバックスコーヒーとしては富山環水公園店(富山県)、福岡大濠公園店(福岡県)に次ぐ3店舗目の公園内店舗で、都内では初となります。また、すでに2店舗が出店している上野エリアですが、上野公園側としては初の出店となります。とりわけスターバックスコーヒーのオープンは、東京都美術館も含め美術館の施設は早くに閉店してしまうので、来館者はもちろん、近くにある東京藝術大学の学生にとっても、21時閉店を予定している同店はうれしい存在になるだろうと思います。僕も上野がターミナル駅なので、エキュート以外の選択肢が増えてうれしい限りです。


公園施設の改修で大きく変わる上野恩賜公園。
4月14日には2つのカフェ、レストランがオープンする
恩賜上野動物園、東京都美術館寄りにオープンする「スターバックスコーヒー上野恩賜公園店」
JR上野駅、国立西洋美術館寄りにオープンする「上野の森 パークサイドカフェ」