2013年12月24日

アウディR8を滝壺に? チームラボとアウディがアートでコラボ

表参道のAudi Forum Tokyoチームラボアウディによる展覧会『teamLab exhibit at Audi Forum Tokyo』を見てきました。展示のメインは、アウディのスポーツカー「Audi R8」を使ったプロジェクション・マッピングによるインスタレーション「The Waterfall on Audi R8」です。2階建てのショールームの階段の吹き抜けを活用した全長約16mの巨大な作品で、吹き抜けに設置した巨大なスクリーンと、その前にR8を配置し、ちょうど滝が岩に見立てたR8に落ちてくるように見えるというものです。

The Waterfall on Audi R8
階段から見下ろすと、より迫力があります

見上げるプロジェクションマッピングがいくらでもありますが、
見下ろせるのは珍しいかも

コンピュータ上にAudi R8を3Dで立体的に再現し、それを岩に見立て、そこに大量の水が流れ落ちてくる滝を、水の流れを水の粒子の連続体として物理計算し、その粒子の動きによって滝を描くというシミレーションをプロジェクション・マッピングとして、実際のスクリーンとR8に投影しています。映像の解像度はハイビジョンの7倍となる7K。これを二階に設置した13台のプロジェクターから投影しています。階段の吹き抜けに設置された事で、階段の途中や二階から見下ろしたりでき、さながら現実の滝見にきているようです。

チームラボによる滝の作品と言えば、2013年7月に大阪で開催された「堂島リバービエンナーレ2013」での「憑依する滝/Universe of Water Particles」が記憶に新しいのですが、本作はその技術的背景を用い、スケールアップしたものと言えそう。






二階には、伊藤若冲の「鳥獣花木図屏風」に着想を得たインタラクティブな作品「世界は、統合されつつ、分割もされ、繰り返しつつ、いつも違う」が8Kのプロジェクターに投影されていました。また、滝に打たれる自分を撮影して、ソーシャルメディアに投稿できる「teamLabCamera」も出展。こちらは東京では初お目見えとなりました。

『teamLab exhibit at Audi Forum Tokyo』は2014年1月5日まで開催されていますが、年末年始の12月29日〜1月2日は閉館していますのでご注意を。


「世界は、統合されつつ、分割もされ、繰り返しつつ、いつも違う」

『teamLab exhibit at Audi Forum Tokyo』
会期:2013年12月19日(木)〜2014年1月5日(日)
   ※12月29日〜1月2日は年末の為閉館(3日より再開)
開館時間:10:00〜19:00
会場:Audi Forum Tokyo(東京都渋谷区神宮前6-12-18)
入場無料



トーキョーのクレイジーな天国に迷いこむクリスマスの夜。TOKYO INNOCENSE / MIKA NINAGAWA

「TOKYO INNOCENSE」をモチーフにした蜷川さんの展示

TOKYO INNOCENSE / MIKA NINAGAWA』(光村推古書院 刊)

12月20日、表参道ヒルズ・スペースオーで開催しているアートイベント『Omotesando Hills CHRISTMAS ART PARTY』(12月25日まで。入場無料)で行われた「蜷川実花スペシャルパーティー」に行ってきました。CHRISTMAS ART PARTYは写真家・映画監督の蜷川実花さんをはじめとして、日本のアートシーンでもとりわけエッジの効いたアーティストばかりを集めた、クリスマスで賑わう表参道の街に花を添えるイベントという感じです。

その中でもとりわけ華やかな作品を展開していたのが、新たに上梓した最新写真集『TOKYO INNOCENSE』をモチーフにした蜷川さんの展示です。「TOKYO INNOCENSE」は蜷川さんがここ数年の間に撮りためてきた“トーキョーの未来の未来”を体現する人々の姿をおさめた、蜷川さんらしい極彩色な写真集です。

20日のスペシャルパーティでは、アニメ着ぐるみのおふたり(ミーナさんと島風榛名さん?)のダンスとドラァグクイーンのMONDOさんのDJで盛り上げる中、次々に本書の被写体として登場した方々が乱入。蜷川さんも姿を現すと、パーティ参加者による撮影会へとヒートアップしていました。


美少女アニメ着ぐるみのふたりがオープニングでダンス
蜷川実花さんを中心に写真集に登場したみなさんの撮影会に
本書の表紙を飾ったNONDOさん
セクシーなブタさんがかわいくポーズ

クリスマスらしくマルティーニのスパークリングのドリンクサービスが

アキバから湧出した、マンガやアニメ、ゲームといった、いわゆる“おたく”カルチャーは、アニメやマンガが長い時間をかけて日本の文化に深く浸透してきた事を背景に、原宿やシブヤといった “おたく” とは相容れないと思われた場へと飛び火し、変貌してきています。インディーズ・アイドルやビジュアル系、さらには男の娘、マンバ、男装、ニューハーフといった、いわゆる異形とされる人たちは“おたく”カルチャーとの結びつきの中から、それぞれが新たにイメージするピュアな“カワイイ”を生み出し、“おたく”とカテゴライズしきれないところへと拡大しています。

新たにイメージされた“カワイイ”は世界のカルチャーシーンからトーキョーを知るためのキーワードとして認識されています。特異と取られつつも確実に一定の層から憧れをもって見つめられる存在になっており、アンダーグランドに留まるどころか世界が認めるところへと進出しています。まさに “異形” から世界が認める “偉業” を成し遂げつつあります。僕は同書はそうした “偉業” な人々の姿をとらえた写真集だと感じています。

実は僕にはこの写真集が企画として成立する現場に居合わせた経緯があります。2011年に3331 Arts Chiyodaで開催されたTOKYO FRONTLINEだったと記憶していますが、本書の編集者で本展を企画・監修している京都造形芸術大学教授の後藤繁雄さんが登壇していたトークイベントに、他のイベントに登壇していた蜷川さんが乱入。蜷川さんが「アキバの人たちを撮りたい!」と発言したのに後藤さんが呼応し、僕も思わず「それ、おもしろい!」と蜷川さんを嗾ける結果となったのでした。その後、アキバだけのものと思われた、いわゆる“おたく”は数年の間にアキバとごく一部のものからトーキョーのものへと拡大する事に伴い、この写真集の可能性も拡大していったものと思います。

蜷川実花さんと本展を企画・監修した後藤繁雄さん

CHRISTMAS ART PARTYの会場では蜷川さんの他に5組のアーティストが出展しています。彫刻家の名和晃平さんはディレクターを務める京都・伏見区にある創作のためのプラットフォーム「SANDWICH」にフォーカスし、「戦略」「組織」「手法」をキーワードに読解する、アート・建築・デザインの枠を越えた5年間の創作活動を一冊の本にまとめた「KOHEI NAWA | SANDWICH CREATIVE PLATFORM FOR CONTEMPORARY ART」をテーマに展示。SANDWICHが手がけたお米やコーヒー豆も販売していました。

ヒロ杉山(ENLIGHTMENT)さんは、ENLIGHTMENTがスタートした “生活のなかでアートを楽しむ” 新プロジェクト「LAST CAFE」のアートワークによるエスプレッソカップ、ティーカップ、お皿、タイツ、ドレス、テディーベアなど展示販売しています。「札幌国際芸術祭2014」のゲストディレクターをつとめる坂本龍一さんは、同芸術祭に関する展示を、「風とロック」を展開するクリエイティブディレクターの箭内道彦さんは「TOWER RECORDS×風とロック×arena」のコラボジャージを展示。デイジーバルーンは作品群を収録したアート・ブック「'DAISY BALLOON'」などを展示していました。


名和晃平さんの展示にはSANDWICHのパッケージに入ったお米やコーヒー豆が
坂本龍一さんはゲストディレクターを務める札幌国際芸術祭の関連展示を
ヒロ杉山さんはエンライトメントが手がけるプロジェクト「LAST CAFE」を出展

アートイベント『Omotesando Hills CHRISTMAS ART PARTY』は25日まで開催中です。クリスマスの夜にはカラフルでクレイジーな天国に迷い込むのもいいかも。