2014年6月1日

帰ってきた人造人間、『キカイダー REBOOT』を見逃すな!

スイッチオン! ワン、ツー、スリー!

仮面ライダーやスーパー戦隊の陰に隠れて、なかなか日の目を見なかった傑作「人造人間キカイダー」をリメイクした『キカイダー REBOOT』が劇場公開されています。特撮ドラマとしてNET(現在のテレビ朝日)系列で放送されていたのが1972年ですから、実に40年以上ぶりの復活です。

『キカイダー REBOOT』は絶賛公開中
キカイダーと宿敵ハカイダーとのロングバトルは必見

ご存じない方に簡単に説明しますと、キカイダーのジローは光明寺博士が生み出した人造人間(アンドロイド)。「良心回路」を持つことで、相手を殺せないという弱さを持ち、機械なのに、善と悪の狭間で葛藤し苦悩しつつ、プロフェッサー・ギル率いる悪の組織から光明寺博士の遺児ミツ子とマサルの姉弟を守るという使命のために戦います。正義と悪、なにが正しいのか、単純な勧善懲悪に終わらないテーマを持っており、ロボットの存在がリアルに感じられつつある現在において、普遍的でありながら、とても現在的な作品と言えます。

本作の「キカイダー REBOOT」は、リメイク作にありがちなコンセプトの迷走は見られず、良心回路の存在、善と悪の狭間での葛藤、自分が機械である事の苦悩など、単なるヒーローものに終わらない、原作が大事にしていたコンセプトに忠実に描かれていて好感が持てます。こうしたテーマを持つだけに、特撮ヒーローものでありながらドラマ部分を大事にしており、ジローとミツ子、マサルの心のふれあい、プロフェッサー・ギルの歪んだ野望、そして影の存在の巨悪など、本作のみでは収まらない、今後の展開を大いに期待させるストーリーとなっています。

また、近年のヒーローものに多い、味方も敵も多過ぎてなにがなんだかわからないというものではなく、キカイダーを阻む存在に、大型戦闘ロボット(形状や最初に戦う相手である事を考えれば、やはりグレイサイキングか?)、女性型アンドロイドのマリ、そしてキカイダーの仇敵ハカイダー、これだけ。それだけに、キカイダーと敵のバトルは濃密で、とりわけハカイダーとのバトルシーンは特撮史上まれみる長さではないでしょうか? また、変身体では最後まで登場しなかった人間体のままのマリの華麗なバトルスタイルは特撮ヒロインものの可能性すら感じさせました。そして、なんといってもプロフェッサー・ギルを演じる鶴見辰吾さん。「仮面ライダーフォーゼ」での悪玉ぶりが印象的だっただけに本作でのハマリぶりは必見です。


まさに兄弟関係にあるアンドロイド、ジロー(入江甚儀)とマリ(高橋メアリージュン)の決着は?

光明寺ミツ子(佐津川愛美)とジロー。人とキカイに愛は芽生える?

「良心回路」の発想した心理学者を1972年に人造人間キカイダーを演じた伴大介さんが熱演!

大作に押されてか、メディアではあまり注目されていないようですが、確実に劇場に足を運んでいる層はいるようです。前述のとおり、往年のファンも納得する部分も多く、某◯ッ◯ャマンの出来に比べれば、上々の仕上がりと言えるようです。やっぱり大事なのは、コンセプトやマインドという事なんでしょうね。



以下ネタバレを含みます。

いくつか残念だったのは、キカイダーとハカイダーのバイクアクション。特にキカイダーの大きな特徴と言えるサイドカーが登場しなかったので、ぜひ次回作では実現して欲しいです。またマリとは決着がついていませんが、ぜひマリの変身体でのバトルを見せて欲しいです。

それとこれは大事な部分なのですが、コンセプトに忠実に、と書きましたが、「良心回路」を邪魔なもののように扱っている点については、ちょっと違うな〜という感じがしました。「良心回路」があるからこそのキカイダーだという点を次回作では見直して描いて欲しいなと思います。また、ジローやミツ子を助けるネットジャーナリスト(原田龍二)の存在は悪くないのですが、彼の存在を通じてネットやスマートフォンを悪く描いているのは、どうにもしっくりこないなと感じました。

ハカイダーはバイクで登場します。ハカイダーが誰なのかは劇場で!

【作品情報】

『キカイダー REBOOT』

入江甚儀 
佐津川愛美 高橋メアリージュン 
原田龍二 中村育二・伴大介・山中聡 長嶋一茂
本田博太郎 石橋蓮司 
鶴見辰吾

原作/石ノ森章太郎 監督/下山天 脚本/下山健人
音楽/吉川清之 アクション監督/田渕景也(Gocoo)
VFXスーパーバイザー/美濃一彦(ツークン研究所)

©石森プロ・東映 ©2014「キカイダー」製作委員会


  

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