2014年5月3日

MoMAで話題になった「ティム・バートンの世界」展がこの秋、東京へ!



怖いのに優しい、醜いのにかわいい、不気味なのに美しい、悲しいのに笑える。愛と狂気が錯綜し、毒のある温かさに包まれた独特な映像世界を生み出し続けているティム・バートン監督。「フランケンウィニー」、「シザーハンズ」、「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」、「チャーリーとチョコレート工場」、そして「アリス・イン・ワンダーランド」。彼の手になる名作、奇作を上げたらキリがない。彼ほど奇才という形容詞が似合うクリエイターはいないでしょう。

はじめて彼の作品に出会ったのは「ビートルジュース」。たまたま時間ができてフラッと入って見たのですが、仕事で疲れていたりして虫の居所が悪かったのもあって、映画の印象は最悪でした。ひどくふざけた冗談のような内容にかなり失望した記憶があります。それでも、異様なほどにこの独特な映像世界が心から離れませんでした。それから少しして「シザーハンズ」という作品が話題になりました。僕はその監督の名前を見て、一気に見る気が失せました。残念な事に僕は「シザーハンズ」を公開時に見逃してしまったのです。

その数年後、ディズニーで「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」が公開になって、当時、ディズニー・アニメならなんでも手放しで喜んで見に行っていた事もあり、監督の名前も気にせず見に行きました。この時、同時公開された「フランケンウィニー」も合わせて、ティム・バートンという希有な才能とその独特な美の世界に、完全にノックアウトされました。それから以後、僕はすっかり彼のファンになってしまい、監督作品のほとんどを見ることになりました。

2009年、ニューヨーク近代美術館(MoMA)においてティム・バートン監督の展覧会が開かれ、大反響になっていると伝え聞きました。ぜひ見に行きたいと思ったのですが、残念ながらMoMAにまで足を運ぶ事はかないませんでした。それでも、これほどの反響ならすぐに日本にも巡回するだろうと高をくくっていたら、なんと日本にやってくるまで、実に5年もかかかってしまいました。そう、この秋、ティム・バートン監督の回顧展『ティム・バートンの世界』展が東京・六本木の森アーツセンターギャラリーで開催されるのです。



TIM BURTON -world of Tim Burton exhibition Prague 2014 promo
from Bernie Roux on Vimeo.


同展は2009年にMoMAで開催されて以降、ベルリンやパリで公開され、現在はプラハで開催されています。ご自身による膨大な量のスケッチやデッサン、オブジェなど約500点が日本初公開となる同展では、コレまでの作品や未公開映像作品なども特別上映されるとの事です。ぜひ「ビートルジュース」と「シザーハンズ」をスクリーンでリベンジしたいと思います。公開直前はまさに第27回東京国際映画祭(10月23日〜31日)が開催される次期となり、監督本人の登場も期待されます。いまから秋が本当に楽しみです。

ところで、なぜ僕が最初、ティム・バートンに嫌悪を感じ、その後ファンになったのかは、エドガー・アラン・ポー、レイ・ハリーハウゼン、ゴジラといった彼との共通点にあったことに、後になってわかりました。

【開催概要】
ティム・バートンの世界 THE WORLD OF TIM BURTON

会期:2014年11月1日(土)〜2015年1月4日(日)
11:00〜22:00(土日祝は23:00まで)
会場:森アーツセンターギャラリー(六本木)
料金:一般 1,800円、高校生・大学生 1,300円、こども(4歳〜中学生)800円

本展は2015年2月より大阪にも巡回します。会場など詳細がわかりましたら、続報します!


   


2014年4月30日

夏までに絶対行きたい! レアンドロ・エルリッヒ展

レアンドロ・エルリッヒ《スイミング・プール》
Photo by Hidetoshi Chiba

金沢21世紀美術館の目玉展示として、アート好きな方のみならず、金沢に観光にきたらこれを見なきゃ、とまで言われているのが、この『スイミング・プール』です。「プール」という僕たちが知っているありきたりのものを、これまで考えた事もなかった新しい視点で、非日常のモノに変化させています。

知ってしまえば、な〜んだ、という、まるでとんちのような作品なのですが、このちょっとしたひねりが生み出す新鮮な視点は、まさにレアンドロ・エルリッヒさんならでは。ちょっと驚くとともに、誰もが気軽に体感できる作品を通じて、アートに対する垣根が取り払われ、親しみさえ感じることができます。さらに、自分にもなにか新しい発想が生み出せるんじゃないかと、ちょっとだけ、クリエイティブな思考に目覚めさせてくれる作品でもあります。

90年代はじめから次々に出てきたさまざまなアート表現の中で、誰もが共有できるモノやコトに対して、現実に見えているモノとは違った見方を与えてしまうという、いわば “視覚のマジック” と言えるのがエルリッヒさんの作風。こうした手法は、現代美術といわれる芸術の特徴のひとつとして定着しています。

さて、いったいどんな作品なのか、種明かしはぜひ金沢まで行ってご自分で体験してきてください。

金沢21世紀美術館
Photo by Hidetoshi Chiba

レアンドロ・エルリッヒ《スイミング・プール》
Photo by Hidetoshi Chiba

そのレアンドロ・エルリッヒさんの日本での初個展となる『レアンドロ・エルリッヒ ーありきたりの?』が、この夏、金沢21世紀美術館で開催されます。同館の恒久展示作品である「スイミング・プール」をはじめ、「サイドウォーク」、「くりかえし」、「雲」、「エレベータの迷路」、「階段」、「エレベータ・ビッチ」、「見えない庭」、「ログ・キャビン」、「住宅」などが出展されます。

「スイミング・プール」はまだ、という方はもちろん、エルリッヒさんの作品が好きな方も、「スイミング・プール」と一緒に数々の作品を見ることができる、またとないこの機会に、ぜひこの夏は金沢に足を運んでみてはいかがでしょう。僕もひさびさに金沢に行こうと思います。

ちなみにエルリッヒさんの作品は金沢以外にも、日本各地で見ることができます。例えば、新潟で行われている「越後妻有 大地の芸術祭」に出品された「トンネル」(キナーレ、2014)、そして香川で行われている「瀬戸内芸術祭」に出品された「美しく捨てられて」(屋島ケーブル山頂駅跡、2013)、「不在の存在」(女木島、2010)も見ることができます。




東京都現代美術館で開催された「うさぎスマッシュ」展でのレアンドロ・エルリッヒさん
Photo by Hidetoshi Chiba

レアンドロ・エルリッヒ《ロスト・ガーデン》
Photo by Hidetoshi Chiba

【開催概要】
開館10周年記念『レアンドロ・エルリッヒ ーありきたりの?』

会期:2014年5月3日(土)〜8月31日(日)
10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)
会場:金沢21世紀美術館 展覧会ゾーン
休場日:月曜日(ただし、5月5日、7月21日、8月11日は開場)、5月7日、7月22日
料金:一般 1,000円(800円)、大学生 800円(600円)、小中高生 400円(300円)、65歳以上の方=800円
※( )内は団体料金(20名以上)及び前売りチケット料金
※本展観覧券で、「コレクション展 I」も合わせてご覧いただけます。