2016年1月5日

さようなら、カマキン。



カマキンっておかしな愛称ですよね。それも、古都・鎌倉の鶴岡八幡宮の境内にあって、とってもモダンな建物なのに。でも、愛称のある美術館なんて、そうそうないと思います。すぐに思い浮かぶのが、トーハクぐらい。後はどれもただ短縮して呼びやすくしているだけ。

そのカマキンの愛称で、美術ファンや地元のみなさんに親しまれてきた神奈川県立近代美術館 鎌倉が1月末を持って、その歴史に幕を下ろします。そんなわけで、鎌倉に来る度に、なんどか足を運んだけど、もう3年以上来てなかったカマキンに行ってきました。

僕がはじめてカマキンに足を踏み入れたのは、たぶん大学1年の頃。地方都市育ちの中途半端なシティボーイ気取りが、横浜出身の女子大のコと逗子に行って、その帰りに知ったかぶりして、こっちに美術館があるんだぜ、とか行って、思い切り道に迷ったのが最初でした。結局、高校の時にデートで行ったことがあるという彼女に案内されてしまった。



日本初の公立近代美術館として1951年に開館したカマキンですが、地権者である鶴岡八幡宮との契約が切れ、さらに老朽化が著しく、国史跡指定の鶴岡八幡宮境内にあって、史跡にそぐうもの以外の現状変更が認められず、美術館としての改修ができないことから、この1月末をもって鎌倉館での美術館活動を終了することになったそうです。

横浜に立ち寄ってから、夕方に行ったので、着いたのが閉館近くになってしまったのですが、建物をじっくり見たかったので、肝心の最後の展覧会である「鎌倉からはじまった。1951-2016 PART3」は駆け足に。そして、どうしても行きたかった2階のカフェテラスに行った時には「CLOSED」のサインが。それでも構わず、ずうずうしくも店内に入れていただいたところ、快く席を案内いただき、その上、外のテラス席が空いたところで、移動させていただきました。夕闇迫る平安池を眺めつつ、ホットワインをいただき、忘れられない貴重なひとときとなりました。



致し方ないこととはいえ、ル・コルビュジェに師事した坂倉準三設計の同館が美術館でなくなるのは寂しい限りですが、聞くところによるとあくまで美術館としての活動が終了するだけで、旧館棟については鶴岡八幡宮に引き継ぐ方向で調整しているようです。ただし、耐震に問題があって2007年から使用中止している新館棟は取り壊すことになるようです。

美術館としては難しくとも、現状を維持した形でリノベーションすることで、カフェやレストランを併設したギャラリーぐらいはできるんじゃないでしょうか? 東京都美術館や1月10日にオープンする京都市のロームシアター京都(旧京都会館)のように(賛否はありますが)、元の建物の意匠を重視しつつ、改修することで残して欲しいと思います。

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