2019年2月28日

ポップで明るい神々:天明屋尚展「国津神」ミズマアートギャラリー


ミヅマアートギャラリーでは天明屋尚展「国津神」を開催中です。天明屋さんというと婆娑羅大名や傾奇者といった日本の歴史におけるストリート文化に通づるような表現を題材とした作品が思い浮かびますが、今回、モチーフとしたのが「国津神」。

2019年2月27日

銀座の「記憶の海」に船出する《6つの船》塩田千春:GINZA SIX


もはやGINZA SIXの定番となった吹き抜けのアート作品。ポップでアニメイテッドなニコラ・ビュフさんの作品に続く今回は、森美術館での大規模個展も控えている塩田千春さんの新作インスタレーション《6つの船》がお目見えしました。《6つの船》をテーマに全長5メートルの6隻の船が銀座の「記憶の海」に船出していく様が表現されています。

2019年2月16日

今秋、三十六歌仙が京都で百年ぶりの再会/『特別展 流転100年 佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美』京都国立博物館

現時点で三十六歌仙のうち28件の断簡の展示が決定。
京博では全件の展示を目指して、現在も出展の交渉中とのこと

今秋、京都国立博物館で開催される『特別展 流転100年 佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美』の記者発表会が東京国立博物館で行われました。会期は2019年10月12日(土)〜11月24日(日)。《佐竹本三十六歌仙絵》は柿本人麻呂や小野小町といった三十六人の優れた和歌の読み人「歌仙」を描いた鎌倉時代の名品。旧秋田藩主・佐竹公爵家に伝わったことから、「佐竹本」と呼ばれ、三十六歌仙絵の最高傑作とされています。

《佐竹本三十六歌仙絵》模本。東京国立博物館内の応挙館で撮影


二巻の絵巻物として伝わってきたこの作品でしたが、いまからちょうど百年前の大正8年(1919年)に一歌仙ずつに分割され、別々の所有者の手に渡り、ちりぢりになってしまいます。当時の社会情勢から佐竹家から実業家の手に渡りますが、ここから再び売りに出されます。しかし、あまりの高額に誰も手を出せず、海外流出の恐れもあったことから、経済界の重鎮で茶人・鈍翁こと益田孝さんらが発起人となり、共同で購入することになります。

2019年2月15日

山口さんならではのユニークさで能楽堂が美術館に/ 山口晃「昼ぬ修羅」:横浜能楽堂

能楽堂の客席を使ったインスタレーションと山口晃さん

日本画の手法と現代的なモチーフを用いて、ユーモアのある独自の世界観を展開して人気の現代美術家・山口晃さん。おもわぬ場所で展覧会が行われることがあって驚かされますが、今回も展覧会をここで?、という場所。

以前、山口さんが描くことの多い馬と鉄の馬(オートバイ)をテーマに、横浜にある「馬の博物館」で展覧会が行われたことがありましたが、今回は同じ横浜。馬の博物館にも近い横浜能楽堂で『横浜能楽堂特別展 山口晃「昼ぬ修羅」』展が開催されています。

椅子ごとに一組の弓が
奥の席の弓も
二階の窓にも注目

2019年2月13日

隠れた傑作!『怪獣大奮戦 ダイゴロウ対ゴリアス』[子どもの頃、怪獣博士って呼ばれてた 01]

子どもの頃からいまに至るまで「怪獣(KAIJU)」が好きです。アートが好きになったのも、もとを正せば、怪獣好きが要因のひとつです。

小学校に入る前後、僕の父は映画館の看板描きでした。そのころはよっぽどの田舎でも、繁華街をちょっと歩けば映画館があった時代でした。僕の住んでいた町にも自転車で10分やそこらに東宝系と松竹系の映画館がありました。記憶にないのですが、大映系もあったようです。

父が関係者ということもあって、招待券をもらったり、時には映写室に入って、そこから見せてもらう、なんてこともありました。「ふしぎの国のアリス」も「東海道中四谷怪談」も、映写室の窓から見た記憶があります。若大将も、ドリフも、クレイジーも映画館で見ました。もちろん、ゴジラも、ガメラも。僕にとって、クリエイティブとのファーストコンタクトは映画館でした。
そんな時代も思い起こしつつ、大好きな怪獣たちの思い出を綴ってみようと思います。もちろん、最新の怪獣たちについても書ければな、と。気まぐれで、01なんて付けたけど、いつまで続くやら。それどころか、次はいつ書くのやら。


怪獣大奮戦 ダイゴロウ対ゴリアスの写真
『怪獣大奮戦 ダイゴロウ対ゴリアス』予告編より

兎にも角にも、記念すべき一回目。こういうのって、最初はやっぱり、ゴジラ、とかになるんだろうけど、気まぐれでひねくれてるので、かなり変なものからいきますね。

2019年2月12日

自然と人の業が織りなす庭の美。足立美術館の四季を捉えた映像美/NHK ニッポン印象派「美の庭の朝」

ニッポン印象派の写真
ニッポン印象派「美の庭の朝」予告より
4K放送がはじまってから、より映像美に力を入れたテレビ番組が増えているように感じます。とりわけNHKは4K放送の旗振り役として、力を入れているようです。中でもドキュメンタリー番組の映像は日を追うごとにハイクオリティなものになってきています。

そうした数あるNHKのドキュメンタリーの中に『ニッポン印象派』という番組があります。このシリーズそのものは数年前から不定期に放送されていますが、このところ4Kコンテンツとして制作されており、BSプレミアムでの放送に先駆けて4Kでの放送が行われていて、より映像美を追求したものとなっています。
ニッポン印象派の写真
ニッポン印象派「美の庭の朝」予告より

2019年2月7日

輝きと孤独、喧騒と静寂、光と影(キアロスクーロ)/『INSULA LUX 光の島 アントニ タウレ』展覧会:シャネルネクサスホール

『INSULA LUX 光の島 アントニ タウレ』展:シャネルネクサスホールの写真

アントニ・タウレさんの作品には、ただただ広く寂しげな佇まいの城の中の暗がりからのぞき見た、光まばゆい島の景色が描かれています。城の開口部には扉はなく、外の世界に大きく開かれているにも関わらず、外に出て行く気配のない視線で描かれています。

と同時にそれとは反するように外の世界への強い想いを感じさせる視線でもあります。絵のモデルとなっている島はタウレさんがアトリエを開き、1970年から暮らしているスペインのフォルメンテーラ島です。

『INSULA LUX 光の島 アントニ タウレ』展:シャネルネクサスホールの写真

『INSULA LUX 光の島 アントニ タウレ』展:シャネルネクサスホールの写真

2019年2月5日

銀座蔦屋で山口晃さんの新刊『親鸞 全挿画集』刊行記念展を開催中

山口晃展の写真

銀座蔦屋書店のアートウォールギャラリーで山口晃さんの新刊『親鸞 全挿画集』(青幻舎)刊行記念展を開催中。そういや、山口さんと言えば、放送中の大河ドラマ「いだてん」のタイトルバックに山口さんの絵が使われてますね。あれ、描き下ろしなのかな? 会期は2月24日まで。

#山口晃
#親鸞全挿画集
#いだてん
#蔦屋書店
#ginzasix

「ミュージアム」から「美術館」へ。「パナソニック 汐留ミュージアム」が『パナソニック汐留美術館』に館名を変更



あまりに唐突なので、なんで? と思ったのですが、ジョルジュ・ルオー ギャラリーとしても知られる、新橋/汐留の「パナソニック 汐留ミュージアム」が、201941日付けで、『パナソニック汐留美術館』に名称を変更すると発表がありました。

ミュージアムが美術館に変わった(というか和訳?)だけで、ロゴの印象も大きく異なるわけではないので、ますます、なんで? という感じなんですが、それでも多少の重みが増したというところでしょうか。

館名変更でどのような変化があるかは今後、注目していきたいです。

  パナソニック 汐留ミュージアム
  https://panasonic.co.jp/es/museum/