ところで「百段階段」ってなんだかご存知ですか?
江戸時代、この目黒には馬も登れないという急な坂が存在しており、江戸にはいる敵性勢力を削ぐための最後の要として機能していた? それがいまも通勤・通学を痛勤・痛学としてしまう、半端ない急坂の行人坂です。
しかし、行人坂が要塞のようなものだったのはおそらくは江戸を開いた頃の話で、その後、太平の世となった江戸時代には、目黒は「目黒のサンマ」でも知られるように、将軍の鷹狩場であり、江戸の庶民にとっては、目黒不動尊詣と富士山がよく見える風光明媚な場所として、誰にとってもまさにリゾート地だったのです。
さて、本題に戻って「百段階段」です。
その行人坂に沿って建てられていたのが、現在のホテル雅叙園東京の前身である目黒雅叙園です。その中にあって、食事や宴席に使われていた7つの部屋を99段の階段で繋いだ「目黒雅叙園三号館」にあたるもので、1935年(昭和10年)に建てられた同ホテルで現存する唯一の木造建築が現在、百段階段と名付けられ広く一般に公開されています。
百段階段へはホテルロビーにある螺鈿細工が施された重厚な扉が入り口になっています。実はこれは百段階段へ向かうエレベータ。これに乗って移動します。
これが エレベータの中!
到着すると、やはりホテルらしいレセプションになっていて、階段どこ? 文化財? となるのですが、レセプションとミュージアムショップの間に出し抜けに古めかしい、歴史の感じさせる階段が現れます。目の前に続く階段は頂上(まさに頂上という言い方が相応しい)が見えません。屈んでのぞくと見えそうです。
階段の天井には絵が描かれており、また「清方の間」や「十畝の間」「漁樵の間」というように、階段の途中にあるそれぞれの部屋には名前がつけられていて、印象の異なる装飾がなされており、鏑木清方や荒木十畝といった当時の著名な画家たちが創造した美の世界が展開されています。
こうして階段や途中にある部屋を堪能しながら、少しづつ登っていくと、ついに99段を制覇。最上階の「頂上の間」に到着します。
この百段階段では、ミュージアムとしてさまざまな企画展が行われております。現在は6月12日(日)まで『大正ロマン×百段階段』を開催中です。
大正ロマンを代表する画家・竹久夢二の作品と、人気イラストレーターのマツオヒロミの大ヒット作『百貨店ワルツ』とのコラボ展示を中心に各部屋で「大正ロマン」の世界が展開されています。
レトロモダンを感じさせる当時の着物やモガを思い起こさせるファションの展示、三越百貨店の店内を再現した展示、レトロな喫茶室を再現し、実際にお茶ができる部屋など、百段階段全体で大正~昭和初期の世界が体感できます。
まさに昭和初期の建築として「大正ロマン」の気分を感じられるのは百段階段ならでは。これまでさまざまな展示をおこなってきた百段階段ですが、もっともお似合いの展覧会と言えます。
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