2014年10月3日

今年度最高の音楽映画! おっさんでなくとも必見の「ジャージー・ボーイズ」




映画「ジャージー・ボーイズ」を観てきました。

今日は一日暑くて、かといってエアコンをつけるほどでもないので、昼から近所のカフェで仕事をしていたんですが、午後になってヒマな?マダム達が増えて、仕事するには辛くなったので、カフェを出て、なんとなくシネコンに寄ってみると、ちょうどこの映画がはじまるところでした。ワーナーは試写の案内が来たりこなかったりなのですが、これははじめから見るつもりでいたので、迷わず観てきました。

ニュージャージー州のイタリア系アメリカ人4人が結成したフォー・シーズンズの栄光と挫折を描いた作品。もともとはジュークボックスミュージカルとして人気の舞台ですが、なんとなんと、本作の監督は、あのクリント・イーストウッド! まさか彼がミュージカルを手がけるとは思いもよりませんでした。

実は僕はミュージカルがちょっと苦手。タモリさんのように毛嫌いして一切観ないというわけではないのですが、あの唐突にキャストが歌いだしたり、下手すりゃ踊り出すのは、何度見ても違和感を感じてしまうのです。ところがこのイーストウッド版「ジャージー・ボーイズ」はその違和感をまったく感じさせない。ストーリーから音楽へスムーズに入っていくあたり、音楽好きでも知られるイーストウッド監督ならでは。

物語は、ニュージャージー州という田舎で行き先の見えない日々を送る、天性の歌声をもったフランキー、刑務所を出たり入ったりのワルだけどグループを引っ張るトミー、それを見守るニック、そして最後に加入し名曲の数々を生み出すボブの4人が音楽で成功していく姿を描いています。

最初にグループを成功に導くのが「シェリー(Sherry)」。グループはエド・サリバンショーに出るまでの人気グループになるも、終わらないツアーの日々に疲弊し、フランキーの家族は崩壊。さらに問題の多かったトミーが実はメンバーには内緒で莫大な借金を作っていたことに直面し、グループは空中分解。それでも自分を拾ってくれたトミーのために、フランキーはすべての借金を返すまで面倒をみるとして、ソロとして活動を続けます。

そして、ようやくトミーの借金を返したその日、フランキーを超える声域を持ち、母親の美貌も兼ねた、大事な娘がドラッグの餌食となって、この世を去ります。失意のフランキーの元に、パートナーとして作曲を続けているボブが一枚の譜面を持って現れます。気が乗らなかったフランキーに、「悲しみを乗り越えなければ」とフランキーを励まします。ボブは制作を渋るレコード会社を説き伏せ、ついに新曲のレコーディングがはじまります。そして、このメロディが流れはじめ……

You`re just too good to be true
Can`t take my eyes off you
You`d be like heaven to touch
I wanna hold you so much

ここにフランキー・ヴァリ、ソロとして初の大ヒット曲が生み出されました。

ボーイズ・タウン・ギャング、シーナ・イーストン、ペット・ショップ・ボーイズ…、もういったいどれだけのアーティストがカバーしたかわからないこの名曲ですが、僕はずっとこの「君」は恋人のことを歌っているのかと思っていましたが、本当のところは、ボブがフランキーの事を想って、永遠に去ってしまった彼の娘の瞳のことを歌ったのかもしれませんね。




映画「ジャージー・ボーイズ」公式
http://wwws.warnerbros.co.jp/jerseyboys/


2014年10月2日

第27回東京国際映画祭ラインナップ発表! 今年のTIFFはアニメ、マンガ色満載!?

今年のフェスティバルミューズは中谷美紀さん!

第27回東京国際映画祭のラインナップが発表になりました。記者発表会が行われた虎ノ門ヒルズの虎ノ門ヒルズフォーラムメインホールには、フェスティバルミューズを務める女優の中谷美紀さんをはじめ、コンペティション部門で日本映画代表として出品される『紙の月』の吉田大八監督、映画祭事務局のプログラムディレクターの方々が登場しました。発表の模様と間近に迫った映画祭の内容を写真とプレゼンテーションの画面を中心にお伝えします。






はじめに東京国際映画祭ディレクタージェネラルの椎名保氏があいさつに立ち、新設された特別賞「SAMURAI賞」に北野武監督とティムバートン監督が決定したと発表しました。ティム・バートン監督は映画祭直後に『ティム・バートンの世界』展(11月1日〜、森アーツセンターギャラリー)の開会を控えています。
MoMAで話題になった「ティム・バートンの世界」展がこの秋、東京へ!







続いて、“熱い男”矢田部吉彦コンペティションプログラミング・ディレクターがコンペティション部門のラインナップ15作品を紹介。フィリピンのケヴィン・デ・ラ・クルス監督の「壊れた心」には浅野忠信さんが主演、日本からは宮沢りえさん主演、角田光代さん原作の吉田大八監督『神の月』が出品されます。吉田監督は「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」で第60回カンヌ国際映画祭の批評家週間部門に招待、「桐島、部活やめるってよ」が第36回日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞するなど、最注目の監督です。








オープニング作品「ベイマックス」(監督:ドン・ホール、クリス・ウイリアムズ)、クロージング作品「寄生獣」(監督:山崎貴)は既報の通り。特別招待作品は、「アップルシード アルファ」(監督:荒牧伸志)や「THE NEXT GENERATION パトレーバー」(監督:田口清隆)、「劇場版『進撃の巨人』前編〜紅蓮の弓矢〜」(監督:荒木哲郎)と例年に比べ、アニメ、CG、マンガ原作など傾向が強い? パトレイバーといえば、例の実物大、パトレイバーが常に話題になりますが、来ます! 立ち上がります! 六本木ヒルズで映画祭期間中にデッキアップイベントが行われる予定です。

海外作品では「最強のふたり」の監督、主演オマール・シーが再タッグした「サンバ」(監督:オリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ)、なんといってもマーティン・スコセッシ監督のニューヨークの老舗文芸誌の50年を描いた「ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス 50年の挑戦」が気になります。同時期に開催されている東京デザイナーズウィークで特別上映される、ヴィム・ヴェンダース監督をはじめ6人の監督が綴る「もしも建物が話せたら」(監督:ヴィム・ヴェンダースほか)も注目。また、特別上映は待ちに待った原恵一監督の新作で、杉浦日向子さん原作の「百日紅(仮題)」のスペシャルプレゼンテーションが必見です!






ヤングコンペティションのアジア版として新設された「アジアの未来」や、国際交流基金アジアセンターとTIFFのコラボ企画「CROSSCUT ASIA」など、アジアを代表する映画祭としての自負と役割を明確化した企画に注目。日本のインディペンデントシーンから注目作を集めた「日本映画スプラッシュ」も期待したいですね。






アニメーション企画として、既報の特別上映「庵野秀明の世界」もあらためて紹介。また、「スーパーマリオ」「ドンキーコング」などの伝説のゲームクリエイター、宮本茂氏の初監督した映像作品「ピクミン ショートムービー」が3D上映されます。そして、なんとなんと、「ベイマックス」の関係者として来日が予定されているピクサーのジョン・ラセター監督が、24日(金)EX THEATER ROPPONGIにおいて開催されるスペシャルイベント「ジョンラセターが語るクール・ジャパン」で基調講演を行います!  





クラシック特集も大注目! 東京国立近代美術館フィルムセンターでは「MoMA ニューヨーク近代美術館フィルムコレクション」が上映されます。ジョン・フォードやエリア・カザンといった名匠の作品もいいのですが、「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ」といったアンディ・ウォーホルの監督作品が登場するのも見逃せません。

また、「4Kクラシック」としてジェームス・ディーンの不朽の名作「理由なき反抗」(監督:ニコラス・レイ)が4Kデジタル修復された映像で蘇ります。これはマーティン・スコセッシ監督がすすめ、グッチがサポートするフィルム修復プロジェクト「ザ・フィルム・ファウンデーション」の協力で上映されるものです。ザ・フィルム・ファウンデーションをサポートするグッチ・シネマ・ヴィジョナリーズではこれまで「甘い生活」(監督:フェデリコ・フェリーニ)や「山猫」「夏の嵐」(いずれも監督:ルキノ・ヴィスコンティ)といった名作9作品の修復を手がけており、これらの作品はグッチ銀座6Fギャラリーで定期上映されてきました。なお、2014年度の上映はメンテナンスのため終了しており、今後の予定は12月中旬にあらためて発表の予定です。






このほか、若手育成企画として行われるSAMURAI賞受賞の北野武監督のトークイベントや、六本木ヒルズアリーナでのアリーナイベントとして映画にまつわる音楽イベント「CINEMA MUSIC JAM」、アニメ、マンガ色の濃い今年のTIFFにふさわしく名古屋で開催され毎回、大盛り上がりの「世界コスプレサミット in 東京国際映画祭」も行われます。




27日(月)に行われる「歌舞伎座スペシャルナイト」では歌舞伎を愛した喜劇王チャールズ・チャップリンの名作「街の灯」(監督:チャールズ・チャップリン)が上映されますが、上映前には市川染五郎さんが舞踊「石橋(しゃっきょう)」を舞います。必見ですが、これはプレミアチケットになりそう。



発表会の締めくくりには、吉田監督、中谷さん。椎名ディレクターによるフォトセッションが行われました。


【開催概要】
第27回東京国際映画祭
会期:2014年10月23日(木)〜31日(金)
会場:六本木(六本木ヒルズ、TOHOシネマズ六本木ヒルズ、シネマート六本木ほか)、日本橋(TOHOシネマズ日本橋)、歌舞伎座、東京国立近代美術館フィルムセンター大ホール