駅の反対側に出るのにSuicaでスイスイ行き来できるのなら通行料を払ってもいい、とツイートしている友人がいました。まず、Suicaで通行料処理ができたら、それはそれで便利だろうな、とは思います。その点では僕も賛成です。
でも、本当に駅ってそんなに不便でしょうか? みなさん、よく知らずに、不便だったかも、駅ナカ通ったほうがラクじゃん、ぐらいの感じで考えてません? 「不便だ」という前提でSuicaでの通行を認めるのは、不便な駅をそのままにしていい、という後ろ向きな対応を鉄道事業者に与えてしまうことになりかねないと思うので、僕はどうかなって思います。
そんなわけで、本当に駅が通り抜けるのに不便かどうか検証してみました。ツイートした御本人も読んでくれるかもしれないので、ぜひこれ読んで、スムーズに駅を利用する上でのヒントになればと思います。
ちなみに僕はこれまで入場券を買って駅構内に入ったのは新幹線に見送りとか出迎えで入った一度か二度しかありません。僕の場合、山手線内の駅であれば、自由通路の位置と駅周辺の地図がほぼほぼ頭に入っていて、効率よく移動すればいいだけなので、その必要がないからです。もっともこれは特殊な部類の鉄オタ、地図ヲタの成せる技なので、やっぱり駅ナカ通してもらった方がラクと思った方は普通に入場券を購入して通るのをおすすめします。
そんなわけで、現状、山手線の主要ターミナル駅はどんな感じになっているのか、JR敷地内における自由通路の設置状況を確認してみました。もちろん、現地には行かずにJRサイトの「駅構内図のある駅」で駅構内図で確認しました。 べんり〜。
駅構内図のある駅
https://www.jreast.co.jp/estation/stations/
以下は山手線主要駅の自由通路の数です。
◯池袋(南北自由通路2本、東西自由通路3本)
◯新宿(東西自由通路1本)
◯渋谷(東西自由通路2本)
◯恵比寿(東西自由通路1本、南北自由通路1本)
◯品川(東西南北自由通路1本)
◯東京(東西自由通路2本)
◯秋葉原(東西自由通路1本)
◯上野(東西自由通路1本)
こうしてみると問題を抱えているのは新宿駅、渋谷駅、秋葉原駅と東京駅であることがわかります。池袋駅は本当に充実していますね。品川駅も自由通路は一本ですが、郊外や地方の駅同様に自由通路を中心に設計され、改札が設置されているので、実に使いやすいです。
それでは、不便そうな駅を見ていきましょう。
まず、秋葉原駅の場合、現在駅の南隣に建設中の「ホテルメッツ秋葉原」の敷地内に狭い自由通路がありましたが、工事にともない通行止めになったり、迂回したりと不便を強いられています。2019年秋のホテル竣工の際には、ぜひ拡幅した形での再整備を期待したいと思いますが、現状ではどこにも情報がありません。もっとも拡幅したとしても、これだけでは、不便であることには違いありません。
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| ホテルメッツ秋葉原 外観イメージ |
次に渋谷駅ですが、現在、駅の大改造とともにあわせて周辺整備も行っており、現状把握すら難しい状況ですが、着々と工事は進んでいます。例えば、ヒカリエ前の東急東横/副都心線改札(地下3階)からJR改札(地上)までをダイレクトにエスカレータでつなぐ導線を2017年に整備済みです。
また、2020年には東口駅前広場/地下広場(①)、東口アーバンコア(②)、東口2階デッキ(③)、東口西口国道デッキ(④)などが整備され、地上、地下それぞれでかなり行き来がラクになりそうです。なお、西口の整備は2027年までかかるので、その点についてはもうしばらく辛抱が必要になります。
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| 渋谷駅周辺整備 |
渋谷駅周辺整備
https://www.tokyu.co.jp/shibuya-redevelopment/shibuya/#anchor05
ターミナル駅でもっとも不便と思われている新宿駅ですが、現在、北寄り池袋側に幅員25mの巨大な自由通路を建設中です。着工から7年もの大工事の末、2020年から使用開始される予定です。
今後はこの自由通路側に改札が整備され、東西の行き来はもちろん、丸ノ内線側からの乗り換えもかなり便利になりそうです。地下部分に導線が広がることでホーム部分に滞留する乗降客の緩和が進み、ホームでの危険回避も期待できます。
さらに2021年以降、新宿駅駅ビル建て替えに伴い、300m超えの超高層ビル化も含む「新宿グランドターミナル」構想で、東西軸を強化する人工地盤の整備も検討されています。
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| 新宿駅東西自由通路完成イメージ |
新宿駅東西自由通路整備工事の詳細資料(pdf)
http://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000235280.pdf
最も大きな問題を抱えているのは東京駅です。
一応、東西自由通路が2本あることにはありますが、一本は東京ステーションギャラリーのある丸の内北口の改札脇から黒塀横丁に抜ける「北自由通路」があるだけ。「北自由通路」は駅の南寄りにいたら、かなり迂回させられている感は否めないですね。
南寄りにはもう一本、京葉線ホームに沿って通路が設置されていますが、ほとんど有楽町にあると言っても過言ではなく、もはや東京駅の自由通路としては機能していません。東京の顔である東京駅がこれでは、駅は不便という印象を持たれても仕方ないですね。
東京駅だけは早急にSuicaでの通行を可能にするか、もしくは有楽町駅〜東京駅京葉線改札の乗換案内書のように、丸の内〜八重洲通り抜け案内書を有人改札で渡して通ってもらうとか、特別な措置を検討すべきですね。特にインバウンド対応を考えれば早急に必要ではないかな、と。
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| 東京駅地上改札位置図 自由通路が北側にあるだけで、南寄りの京葉線ホームにある自由通路は地図にさえ載っていません |
ついでと言ってはなんですが、川崎、横浜、大宮、浦和、千葉、立川、八王子といった郊外の巨大ターミナル駅も調べてみました。これらは地方都市の駅と同様に、改札を自由通路に面して設置する中央集約型で、駅構内の移動ではなく自由通路での移動を前提としているので、東西/南北の通り抜けに問題はないと思われます。
前述した新宿や渋谷などの工事中の駅も、自由通路の設置を前提に進めており、今後、不便は取り除かれると思います。最大の問題は駅の構造上、大胆な改造を行わない限り、当面不便を強いられる東京駅。これは駅上に人工地盤を設置するか、地下のグランスタ/銀の鈴の自由通路化を行うなど、JRには早急かつ大胆な対策を考えていただきたいですね。





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