2020年5月31日

『京都市京セラ美術館』がついに開館!注目は新館・東山キューブ:京都市京セラ美術館フォトレポート②

日本庭園からみた新館・東山キューブ

現代美術のための新館・東山キューブ


京都市美術館の再整備事業においては、公立美術館としては現存する最も古い建築という歴史的に価値ある本館については、外観、内観ともに可能な限り保存・継承しつつ、最新の設備を備えた美術館としてリノベーションが行われています。これとは対照的に、現代美術作品の展示に対応し、よりフレキシブルな構成を可能とした新館「東山キューブ」が本館の東側の京都市動物園に面した側に設けられました。


東山キューブの展示室は面積約1,000㎡、天井高5mの広さがあり、可動壁をはじめ、高機能な最新設備を備えていることで、自由な展示空間を構成することができます。これにより、現代美術のみならず、アニメーションやコミック、ファッション、建築、デザインといった、現代の文化芸術シーンの紹介を可能にしています。


同館東隣りの京都市動物園側からみた東山キューブ
東山キューブの屋上から本館を望む

東山キューブの屋上には、屋上庭園「東山キューブテラス」を備えています。ここからは日本庭園を見下ろせるだけでなく、南から北東に広がる東山の山々が望める開放的な場所となっています。東山キューブテラスは京都市動物園側から自由に入ることができるようになっており(現在は入場制限があるかもしれません)、階段状のウッドデッキがあり、思い思いのスタイルで過ごせるフリースペースになっています。

新館 東山キューブでの今後の展覧会予定

京都市京セラ美術館開館記念展
杉本博司 瑠璃の浄土
2020年5月26日(火)〜10月4日(日)

以降の予定については、開館延期に伴い、表記の会期から変更されます

THE ドラえもん展 KYOTO 2020
2020年7月4日〜8月30日→2021年夏に延期

ANDY WARHOL KYOTO/アンディ・ウォーホル・キョウト
2020年9月19日〜2021年1月3日→会期調整中(2021年度以降)

うたかたと瓦礫デブリ:平成の美術1989–2019
2021年1月23日〜2021年4月11日


東山キューブの屋上から日本庭園を見下ろす
池には開催中の『杉本博司 瑠璃の浄土』に関連して
《硝子の茶室 聞鳥庵(モンドリアン)》が設置されています
日本庭園から本館の東側を見上げる
美術館敷地の疎水沿いにたつ桜水館。今後、レストランに改修される予定とのこと

新設ギャラリー、ザ・トライアングルにも期待


新設された展示スペースとしては、東山キューブの他に京セラスクエアの一角にある北西エントランスに「ザ・トライアングル」があります。ここでは京都ゆかりの新進作家を中心に紹介し、気軽に現代美術に触れる場を目指しています。ガラス・リボンの北端地下1Fにメインのギャラリーがあり、その直上の1F北西エントランスの三角形のスペースを含めた展示空間になっています。

ギャラリーが位置している北西エントランスは神宮道と二条通の交差点に面した同館の敷地内ではもっとも公道に近い位置にあり、街行く人が気軽に立ち寄れるものになっています。展示空間そのものが三角形であることと同時に、「作家・美術館・鑑賞者」を三角形トライアングルで結び、つながりを深められるようにしたことで、ザ・トライアングルを冠した企画展シリーズを開催し、京都から新しい表現を発信していきます。



新進作家を中心に発信するスペース「ザ・トライアングル」
地下1階から地上へと二層構造になったギャラリー

『鬼頭健吾:Full Lightness』を公開中
ザ・トライアングルで公開中の『鬼頭健吾:Full Lightness』
地下1階から地上階を見上げる
ザ・トライアングルで公開中の『鬼頭健吾:Full Lightness』
次の作家ではどんな空間になるのか楽しみ

岡崎の街とのハブになるガラス・リボン


今回のリニューアルにおいて、シンボル的な存在と言えるのが、京セラスクエアから続く、本館地下1階部分に設置されたファサード「ガラス・リボン」です。帝冠様式の意匠をそのまま残した歴史的建築である本館に融合するように、現代的で透明、軽やかな流線型の意匠を持ったガラス・リボンは、まさに新しい同館の顔と言えます。

ガラス・リボンにはチケットカウンターやクロークなどのメインエントランスを中心に、南側にカフェ「ENFUSE(エンフューズ)」、北側にはミュージアムショップ「ART LAB KYOTO」、ギャラリー「ザ・トライアングル」、講演室、多目的室といった、展覧会への入館者以外の方も自由に美術館にふれることができる場となっています(5月26日現在は入館制限中)。

京都の街にあって、比較的静かな岡崎ですが、ガラス・リボンは、美術館に集まる人々と岡崎の街へと広がる、にぎわいのハブになりそうです。


「ガラス・リボン」北側にあるミュージアムショップ『ART LAB KYOTO』
美術出版社、光村推古書院、銀座 蔦屋書店、NADifの共同企業体である
CCCアートラボが手掛けている
ガラス・リボンの南寄りにあるカフェENFUSE
おばんざいを使ったプレートなど京都らしいメニューが楽しめる
もちろん、パスタやサンドイッチ、スイーツもあります
ENFUSEはカフェの開発や運営を手掛けるWATによる運営
ENFUSEは位置的には地下にあるカフェだが、
京セラスクエアの広いスペースが目の前にあり開放的な雰囲気
大鳥居を足元から眺められる
神宮道に掛かる慶流橋からの夕暮れ。右の建物は京都国立近代美術館
ぜひ、一日もはやく訪れたい美術館です

京都市京セラ美術館は事前予約・定員制にて運営されています。当面の間は京都府在住の方のみを対象とし、京都府外の方は入館できません。京都府外に在住の方がご予約をされた場合は、キャンセルとなりますので、ご注意ください。

予約専用サイト:

https://reserva.be/kyotocitykyoceramuseum/
電話番号:075-761-0239(10:00〜18:00)

※カフェ、ミュージアムショップなどの無料エリアへの入場も予約が必要です。入館時にはマスクの着用をお願いいたします。

※6月19日(金)以降は京都府民限定が解除されます!これにより京都府民以外のすべての方が予約できるようになります。前日までの事前予約は必要です。19日分以降の来館については以下のURLから予約できます。

https://kyotocity-kyocera.museum/news/infomation/2020/06/0609


京都市京セラ美術館 公式サイト

https://kyotocity-kyocera.museum

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