2023年6月27日

エマイユと7人の作家が創造する、陶芸の新たな魅力:グループ展『エマイユと身体』銀座メゾンエルメスフォーラム



今夏、エルメス財団は岩波書店より、自然素材を巡る職人技術や手わざの再考、継承、拡張を試みる「スキル・アカデミー」の一環として「Savoir & Faire 土」を刊行します。銀座メゾンエルメスフォーラムでは同書に関連した陶芸作品を集めたグループ展『エマイユと身体』を開催中です。




エマイユとは仏語の釉薬、うわぐすりのことです。火と空気でガラス質に変容し、輝きを纏います。人類は太古から貝殻や鉱石など自然界の輝きに魅せられてきました。

陶芸家ジャン・ジレル は「こうした収集物は、のちに釉薬になるものとどこかしら奇妙な共通性がある」と語っています。

本展に出品する7人の作家たちの作品は、エマイユがもたらす色彩や光沢、強度などの効果を用いて制作されています。これは長い陶芸の歴史の中で表現されてきたものとなんら変わるものではありません。しかし、ここに展示されている、大変ユニークな作品を見るにつれ、その多様性、可能性に驚きを隠せません。本展を通じて、あらためて陶芸の可能性に気付かされました。





ジャン・ジレル
エマイユの光沢が悠久の時を奏でているようで、絵画とは違ったすてきな風景画です。ジャン・ジレルはフランスの人間国宝(メートル・ダール)に認定された、クリニュー近郊に窯を構えて制作を行う陶芸家。中国宋王朝時代の陶芸に魅了され、以来「曜変天目」の探求を続け、西洋の技法と極東の伝統の融合した作品を作り出している。






フランソワーズ・ペトロヴィッチ
光沢のある表情豊かな動物たちがユニークです







シルヴィ・オーブレ
呪術的、民俗的でもある、不思議な表情の箒が印象的







小川待子
ひびや欠け、エマイユの下の層などまるで白い地層のよう






安永正臣
まるで遺跡から掘り起こされた古代の遺物のように見えます






ユースケ・オフハウズ
記憶だけを頼りに作った小さな建築はどこか見覚えのあるものばかり






内藤アガーテ
一体どこが陶芸なのか最初は戸惑いました。よく見れば帽子や写真の中のオブジェなどがそうなのだと。ちょっと不思議

エマイユと身体』開催概要
会期:2023年6月17日(土)~9月17日()
休館日:7月19日(水)、8月9日(水)
会場:銀座メゾンエルメス フォーラム 8・9階
公式サイト https://www.hermes.com/jp/ja/content/maison-ginza/forum/230617/

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