2024年3月2日

旧岩崎邸庭園で再び!『江戸東京リシンク展2024』を開催


江戸東京の伝統の匠の技と現代美術を融合し、世界に発信している「江戸東京きらりプロジェクト」。この取り組みの成果を披露する『江戸東京リシンク展2024』を国の重要文化財である旧岩崎邸庭園において、2024年3月10日まで開催中だ。

今回も展覧会ディレクターに現代美術家の舘鼻則孝さんを迎え、東京都の伝統産業事業者をコラボレーターとして、舘鼻さんとの刺激的な作品が展示されている。



本展のアイコンといっても差し支えないのが、舘鼻さんの代表作であるヒールレスシューズをベースにしたコラボ作品。



東京くみひもの龍工房が手掛けたヒールレスシューズには、本作品のために考案された正絹性の「角紐」が60ミリの正確なピッチで並び、立体的なテクスチャーを生み出している。背面には「吉祥結び」の飾り結びが施されていて、めでたい雰囲気を醸している。




新江戸染の丸久商店によるヒールレスシューズのアウトソールには、注染と呼ばれる伝統的な染色技法で、舘鼻さんのお得意の意匠である雷雲が描かれている。




金唐革紙は旧岩崎邸庭園の洋館内装にも使われており、特別協力という形で参画した金唐紙研究所が制作した金唐革紙を用いて装飾したヒールレスシューズが展示されている。





太鼓や神輿などの祭礼道具を手掛ける宮本卯之助商店は、玩具太鼓と呼ばれる4.5寸の小さな和太鼓を活用し、これに舘鼻さんによるイナヅマが走る大胆なデザインを施した、まさに雷神の持つ雷鼓を制作。飾り結びには龍工房の角紐が用いられている。

舘鼻さんとのコラボ作品はまだまだほかにも。



伊場仙の江戸扇子には舘鼻さんの絵画シリーズの延長線上の作品として描かれている。蛇腹状の構造を活かして異なるモチーフを1枚の扇子に表現している。この扇子はマジで欲しいかも。




繊細な江戸組子を手掛ける建松とのコラボでは、伝統的な幾何学模様と舘鼻さんの描く雷雲のモチーフがレイヤーとなって表現されている。






江戸刷毛・東京手植ブラシの宇野刷毛ブラシ製作所とは左官ブラシを用い、縞状の痕跡を意匠として活かして制作されている。





会場となっている旧岩崎邸庭園はジョサイア・コンドルが手がけた、17世紀の英国ジャコビアン様式の装飾が施された洋館が印象的だが、その奥には岩崎家の人々が暮らした広大な和館の一部が残されている。







そこには廊下を挟んで和館の庭が望める喫茶とミュージアムショップが設けられており、一日数量限定の小岩井農場シュークリームやチーズケーキをお抹茶とともに楽しめる。どうしてここで小岩井農場のものがでてくるかっていうと、小岩井農場の「岩」は岩崎さんの「岩」だからですよ。

こちらもぜひ楽しみたいものです


【開催概要】
展覧会名:江戸東京リシンク展 旧岩崎邸庭園でみる匠の技と現代アートの融合
会期:2024年3月1日(金)~3月10日(日)
会場:旧岩崎邸庭園(湯島)

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