2024年3月19日

ハリウッド的中国SF大河:『流転の地球 太陽系脱出計画』

とんでもないSF映画を試写で見た! 3月20日公開の『流転の地球 太陽系脱出計画』だ。



Netflixで「三体」の公開が話題になっているアジア人初のヒューゴ賞受賞者・劉慈欣(リウ・ツーシン)の短編「流転地球」を壮大な超弩級の SF大河に仕立てた。本作は2019年に中国で公開され、中国映画史上初のSFブロックバスター映画となった「流転の地球」の前日譚にあたる



内容的には「妖星ゴラス」と「デジタル生命」がテーマ。


「妖星ゴラス」と違うところが、彗星である妖星ゴラスが地球に衝突するのではなく、太陽が寿命を迎え、太陽が崩壊する前に他の天体へと地球ごと移動してしまおうという計画なのです。さらにその前に月が影響を受けて、地球に月が「落ちてくる」ので、まずそれを避けるために核融合で動く「地球エンジン」という巨大な推進装置を地球上に設置し、月を避けるというわけです。


「デジタル生命」は新手の生命保険とかじゃなく、先行き希望が持てなくなった人類が希望を見出すのは果てしない宇宙を旅して安住の地を探すのではなく、量子コンピュータを用いて、デジタルの世界に自分のアイデンティティを移し、その中で永遠の命を得ようとする技術。絵空事のように聞こえますが、実現に向けて、研究されているようです。


中国映画スゴイかも🤩



出演陣が中国映画界、総力戦できたって感じ。


主人公のパイロットにウー・ジンとか、デジタル生命を研究する量子科学研究者にアンディ・ラウとか。


宇宙エレベーターでのテロリストとの攻防戦とかVFXがすごいのよ。中国のVFXもなかなかすごいね。




※『妖星ゴラス』について

『妖星ゴラス』は東宝が1962年(昭和37年)に製作・公開したディザスター・ムービーの先駆け。地球に衝突する軌道を取っている彗星である妖星ゴラスを避けるために、南極に巨大なロケットエンジンを大量に設置して、地球を動かそうとする。本多猪四郎監督、円谷英二特技監督のゴールデンコンビによるSF大作。


本作を「妖星ゴラス」のパクリとする指摘もあったようですが、いまから60年前に映像化された作品からなんらかの影響を受けるのはなんら不思議なことではないし、それをパクリと指摘するのは無粋だなぁと思う。また、指摘されて事細かに否定をするんじゃなくくて、素直にリスペクトしていると言えば誰も否定しないと思うんだけどな。



【作品情報】

タイトル:流転の地球 ―太陽系脱出計画-

監督:グオ・ファン(「流転の地球」)

製作総指揮・原作:リウ・ツーシン

出演:ウー・ジン、アンディ・ラウ、リー・シュエチェン、シャー・イー、ニン・リー、ワン・ジー、シュ・ヤンマンツー

2023年/中国/中国語・英語/173分/カラー/シネスコ/5.1ch/DCP/原題:流浪地球2/英題:THE WANDERING EARTH II/字幕翻訳:神部明世/字幕監修:大森望/配給:ツイン

2024年3月22日(金)公開

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