現代の中国を代表する監督のひとり、巨匠チャン・イーモウ監督の最新作にして、初の本格スパイ・サスペンス『崖上のスパイ』。雪に閉ざされたモノクロームの美しい街・ハルピンを舞台に、抑えた演出ながら時には激しいアクションを交えて、フィルム・ノワールを思い起こさせるような美しい作品に仕上がりました。
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出演はスパイチームのリーダー、張憲臣をチャン・イーモウ監督の近作「ワン・セカンド 永遠の24フレーム」で主演を務めた中国映画界の名優・チャン・イーが演じます。
そして、本作のアイコンとも言える、可憐でもの静かだが、芯が強い最年少の女スパイ・小蘭を演じるのが「ワン・セカンド 永遠の24フレーム」でデビュー、みずみずしい演技も記憶に新しいリウ・ハオツン。コン・リー、チャン・ツィイーといった世界で活躍している中国を代表する女優たちを見出してきたチャン・イーモウ監督が送り出す期待の超新星です。
全編を通して雪に閉ざされたハルビンの街が舞台となっており、モノクロームの中にネオンサインが画面を彩る、独創的な世界を描いています。特務が迫る検問をとっさの機転でかわしたり、スパイ映画の定番とも言える列車の個室内での攻防戦、迷路のような市街地での銃撃戦、クラシックカーでのカーチェイス、とアクションは見どころ満載。
そしてそれだけではなく、スパイ戦に身を投じてでもこどもの元へという親の愛、離れ離れの任務の中でそれぞれのパートナーへの愛といったヒューマニズムが作品の中心に据えられているのは、やはりチャン・イーモウ監督らしいところです。
共産党と特務警察が争わなければならなかったという史実。どちらも歴史の中で翻弄された中国の同胞たちでした。こうした悲劇はいまだに世界にあることを思うと、厳しい現実が心に突き刺さります。この作品で監督が伝えたかった真の愛が詰まったラストシーンに思わず胸が熱くなりました。
公式サイト https://cliffwalkers-movie.com/
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