2012年3月14日

トーハクが開館140周年を記念したグッズを発表

明治5年(1872年)に創立した東京国立博物館(トーハク)は、今年開館140周年をむかえ、さまざまな催しや取り組みを行っており、この春は『博物館でお花見を』と題して、博物館で春にふれるさまざまな催しを用意しています。

本館日本ギャラリーでは、展示されている中で桜をモチーフとした作品を楽しむ趣向となる「桜めぐり」(3月10日〜4月15日)やギャラリーの5つのポイントをめぐる「さくらスタンプラリー」、エドヒガンシダレやショウフクジ、ソメイヨシノ、オオシマザクラなどが咲く「春の庭園開放」(3月10日〜4月15日)、庭園にはMOTOYA EXPRESSの「さくらカフェ」もお目見えします。

春を間近に控えたトーハクでは140周年記念のグッズを発表しました。海洋堂、凸版印刷、資生堂パーラーという3社の企業とのコラボレーションによって生まれたグッズです。

東京国立博物館140周年記念グッズは、左よりチーズケーキ、フィギュア、レプリカの3つです

○東京国立博物館 × 海洋堂:公式『考古学ミニチュア カプセルフィギュア』

ガレージキットや食玩、フィギュアでホビーの世界に革命を起こしてきた海洋堂とのコラボレーションによって生まれたのは、東京国立博物館初の公式オリジナル文化財フィギュアです。その第一弾となるのが、今回発表された東京国立博物館公式『考古学ミニチュア カプセルフィギュア』です。

本製品は古代日本を知る上で重要なものである土偶や埴輪といった、同館が所蔵する考古遺物の名品を、海洋堂が埴輪や土偶の裏側、銅鐸の細かな文様までを、ホンモノをもとにリアルに作り上げたものです。海洋堂は早くからこうした文化財のフィギュアを手がけてきており、2009年に同館で開催された「国宝 阿修羅展」で好評を博した「阿修羅像フィギュア」も同社が手がけたものです。

今回の発表会に出席した同社の宮脇修一社長は挨拶の中で「ついに東京国立博物館とご一緒できるまにでなった」と語りました。確かに国立博物館とのコラボは記念すべき事かもしれませんが、すでにアメリカ自然史博物館から製作協力の依頼がくる実力と高い評価を持つ同社にしてみれば、国立博物館からの依頼は「ようやく」というのが本音なのではないでしょうか?

20日から発売される本製品には埴輪や土偶、銅鐸などあわせて6種のフィギュアが用意されており、同館内に設置されるカプセルマシンでのみ販売されます。定価は1回400円です。今秋には同フィギュアの第2集、そして、絵画作品、つまり2Dの作品を擬似的に立体化=3Dにする「絵画立体化プロジェクト」も進められており、今後も目が離せません。

東京国立博物館と海洋堂のコラボレーションによる『公式フィギュアプロジェクト 考古学ミニチュア』。
後列左から、遮光器土偶、埴輪 踊る人々(小)/(大)。
前列左から、人面付壷形土偶、袈裟襷文銅鐸、埴輪 犬(いずれも400円)。
「いくつもの文化財のフィギュアを手がけてきたが、ついに東京国立博物館とご一緒できるまでになった」と感慨深げに語った海洋堂の宮脇修一社長
考古学ミニチュアフィギュアはカプセルマシン(いわゆるガチャガチャ)で販売される。
東京国立博物館内でのみの限定販売
東京国立博物館 × 凸版印刷 『洛中洛外図屏風(舟木本)高品位複製』

凸版印刷とは同館所蔵の重要文化財「洛中洛外図屏風」(江戸時代・17世紀)の実物大複製を制作しました。高いデジタル撮影技術と印刷技術で生み出された製品で、とても細かく描かれている同作品の魅力を間近に楽しむことができます。一隻(縦163cm、横346cm)が左右二隻の屏風を再現したもので、販売価格300万円です。

凸版印刷と東京国立博物館は以前から共同プロジェクトとして、文化財情報のデジタルデータ化を進めており、3次元計測によるVR(バーチャルリアリティ)技術を使った「TMN&TOPPANミュージアムシアター」を展開するなど、アーカイブデータの活用も進めています。今回は最新のデジタル撮影と色彩計測技術を用いて高精細デジタルアーカイブ化した同作品を高精細印刷「プリマグラフィ」による複製印刷により、実際に所有できる記念グッズとして『洛中洛外図屏風(舟木本)高品位複製』が製作されました。

大変高価なグッズとなりますが、洛中洛外図屏風を自宅に飾れる事を考えれば、夢をかなえるにはむしろお安いのかもしれません。3月31日までは記念限定特別価格の250万円で販売されるので、ご興味のある方はぜひ。なお、本製品は国内のみの販売になるという事です。


東京国立博物館と凸版印刷が制作した重要文化財『洛中洛外図屏風(舟木本)』の高品位複製
非常に精彩に再現されており、実物では不可能な距離まで近づいて鑑賞できる。
写真は右隻5扇中に描かれた五条大橋部分



東京国立博物館 × 資生堂パーラー 『資生堂パーラー チーズケーキSS 東京国立博物館 オリジナルパッケージ入り』

最後にご紹介するのは、東京国立博物館オリジナルの限定パッケージにおさめた、東京・銀座の資生堂パーラーオリジナルのチーズケーキです。実は資生堂パーラーと東京国立博物館には共通点があります。いずれも140年前、明治5年に生まれています。資生堂は日本初の調剤薬局として東京・銀座に開店し、現在の資生堂に、明治政府の文部省博物局による博覧会が東京・湯島において開催され、現在のトーハクの礎となりました。

今回販売されるのは、季節のチーズケーキで春のチーズケーキ(さくら味)とプレーンの2種類。今回の発表会で、さくら味を試食しましたが、桜のペーストを練り込んだチーズ部分がしっとりとして濃厚なコクの味わいで、桜の香りのビスキュイ生地で包み、焼き上げたもの。後味は思った以上にさっぱりしていて、まさに春の香りが楽しめます。

パッケージの柄に選ばれたのは、同館所蔵の菱川師宣による肉筆浮世絵『見返り美人図』(江戸時代・17世紀)です。「吉弥結び」の帯結びに菊と桜の丸紋を配した艶やかな衣装の美人を描いたもので、チーズケーキのパッケージとは思えないほどの贅沢さです。

今後も資生堂パーラーのスイーツが企画されているそうですが、現時点でトーハクオリジナルの味は予定にないそうで、今後、十分なロットが期待できればオリジナルを出す可能性もあるとの事でした。

資生堂パーラーの味をトーハクで

2012年3月12日

カジュアルなものづくりカフェ『FabCafe』がオープン

FabCafeはカフェなのか? 工房なのか? はたして…

3月7日にオープンした「Fabcafe」に行ってきました。

場所は渋谷・道玄坂を上がりきった、複雑な交差点のもっとも渋谷寄りの角にあるビルの1F。外観はごくごくフツーのお洒落なカフェです。フツーのカフェとはものすごおお〜く異なるのは、なんと、カフェのど真ん中にレーザーカッター(レーザー加工機というが本来の名称かな)が鎮座ましましているのです。

変わり種のカフェと言えば、3331 Arts Chiyodaには、電子工作を楽しむ「はんだづけカフェ」がありますが、そこは飲み物は持ち込み(笑) FabCafeはきっちりおいしいコーヒーが出てくるほんまもんのカフェなんです。なので、当然の事ながら、お茶をのみにいくだけでもOK(当たり前か)。メニューはカフェラテが400円、ランチが800円からなど。スイーツもありました。


こんなカンジでカフェのど真ん中にレーザーカッターマシンが鎮座ましましているわけです
オーダー時のウィティングボード。これもレーザーでチチッとやったわけです
FabCafeは道玄坂を上りきった大きな交差点にあります。ロケーションはばっちり。



運営しているロフトワークはクリエイターのジョブマッチングなどをおもな生業としている企業で、もとよりここはクリエイターが集う場所。僕が行った日もいかにもクリエイティブなカンジのニオイぷんぷんのみなさんが楽しそうにしており、部外者にはちょっと針の筵っぽいのは、客商売としては今後の課題かな、と(僕は元百貨店員)。


こんなカンジでカフェのど真ん中にレーザーカッターマシンがっ
米国ユニバーサルレーザーシステムズ社のレーザー加工機「VLS」
レーザーカッターの操作はカウンター席に設置されたスクリーンで


それはさておき、どうしてまたカフェでレーザーカッター? という疑問なのですが、ちょうど店内でお仕事をされていた同カフェのクリエイティブディレクターで共同経営者の福田敏也さんによれば、はじめのきっかけは、ロフトワークで行っているセミナーなのだそうです。世界的なものづくり革命のムーブメントであるFABネットワークの日本の最先端を行く、FabLab Japanのセミナーを行った時から、ここにものづくりの拠点を、ということだったようです。

FABはMITのニール・ガーシェンフェルド教授が著書「ものづくり革命 パーソナル・ファブリケーションの夜明け」で提唱したコンセプトで、3D造型機(3Dプリンタ)やレーザー加工機をはじめ、さまざまな工作機械とデジタルデザインを組み合わせてクリエイトしていくというムーブメントで、FabLabはそれらを備えた工房というわけです。FabCafeもその一翼を担うというわけですね。

デジタルものづくりと言うと、トレンドはどちらかと言えば、3Dプリンタだと僕なんかは思うのですが、たしかにレーザーカッターの方が時間もそれほどかからずに形にできるし、3Dのように特別な知識もなく、通常の2Dのデザイン知識で対応できそうです。カジュアルにクリエイティブを楽しめるカフェというあたりが、シブヤという土地柄にあっているのかもしれません。

いまのところ3月中は試験的にサービスを行うそうで、本格稼働は4月からだそうです。今度、フラッと行って、表札でもFABってくるかな(笑)


FabCafeの共同経営者でクリエイティブディレクターの福田敏也さん
オーダーカウンター後ろのメニューもレーザーカッターで切り抜いた木材を福田さんが自ら手張り!したとか
だれですか、この美女ふたりはっ!
ロフトワークの代表、林千晶さん(左)と遊びにきていたフォトグラファーでソーシャルアントレプレナーの草野絵美さん。FabCafeに行けばおともだちになれるかもっ!

本屋なんて死ぬわけない

『「本屋」は死なない』。「新文化」の編集長だった方が、さまざまな特色のある書店主を取材したレポートのようだ。「ようだ」って、読んでないのか、とツッコミくださった方、すいません。「読んでみたい!」と思いつつも、大体内容が想像できるので、「たぶん読まないんだろうなぁ」と。

それにしても、どうしてこう、どちらかが「滅ぶ」「廃れない」の論点から脱却できないんだろう? まぁ、そういうセンセーショナルなタイトルにしないと、この本自体が売れない、もしくは注目されないんだろうけど。

電子書籍については、もうかれこれ20年以上取材してますけど、かなり早い時期に「本屋はなくならないし、紙もなくならない」と確信していました。同時に「電子書籍はこのまま進展するし、端末で読む人も増える」とも思っていました。インターネットの登場はグーテンベルグ以来のメディア変革だっていう人がたくさんいましたが、電子書籍はグーテンベルグよりもさらにさらにさかのぼる、パピルスの時代からの「紙に書かれたものを読む」という、恐らくは人類のDNAに刷り込まれたものを、変えようというわけですから、はい、そうですか、と簡単に乗り換えられるわけがないと思う。

いや、そんな事はない、と思う人(僕も含めて)は、何年もパソコンやケータイ(最近ならスマホか)に慣れ親しんだ、電子デバイスジャンキーだから、そう感じるわけで。うちの昭和一桁には到底無理。そういう人々が長生きしている以上、こんなどっちつかずの時代がまだまだ何年も続く、という事だと思います。

なお、僕は川上から川下まですべて実体験があるので、そういう事が言えるだけなので、このコメントは参考にしないでください。そういう経験や知識のない方で、最近、出版や電子書籍に興味がある人は読むといいと思いますよ。

間違いなく、本屋には、コンテンツを考えたり、売る上でのヒントがあるんですから。






2012年3月11日

東日本大震災から一年。アートになにができたのか?『つくることが生きること』展 ー 3331 Arts Chiyoda


『つくることが生きること』展は東京・秋葉原の3331 Arts Chiyodaで25日まで開催中


本日11日より、東京・秋葉原の3331 Arts Chiyodaにおいて「つくることが生きること」東日本大震災復興支援プロジェクト展が開催されています。フォトリポートをお届けします。