2021年10月19日

AIを駆使した表現で人の本質に切り込む:岸裕真 個展『Imaginary Bones』




神楽坂の現代美術ギャラリー、√K Contemporaryにおいて岸裕真 個展『Imaginary Bones』が開催中です。

岸さんは東京大学大学院で電子工学をおさめたのち、現在は東京藝術大学の先端芸術に在籍しながら、作家活動しています。AIを中心とした先端技術を駆使し、これを反映させた作品を制作しています。




本展では、例えば「数学者の顔」といったようにある一定のテーマに沿った顔をAIに学習させ、アウトプットした「顔」(つまりAIが「数学者の顔」として導き出した顔)をプリントし、これに哺乳類の骨のデータから作り出した存在しない生物の骨のデータから3Dプリントしたオブジェと組み合わせ、それらをアナログなペインティングで繋ぎ合わせる、という作品を出展しています。





ディープフェイクなどの技術により、人の顔といった外観など見た目は意味をなさなくなりつつあります。また、パラリンピアンに見られるように、身体は人の本来の機能を超えつつある義肢などの装具技術の進化による人の身体機能が革新されつつあります。

このように、これまで普遍的と思われてきた人の姿が、既存の価値とは異なるものとなりつつあり、そのことにより、人の本質とは何かを問われる時代になってきています。

そうした時代にあって、テクノロジーとアートの視点から、人の本質に迫ろうとしている岸さんの作家活動は今後、ますます注目されていくものと思われます。









これからの活躍がとても楽しみな作家だと感じました。本展のキュレーションを担当したのは、昨年「富士山展3.0」を手掛けた隅友晋太郎さん。こちらも今後が楽しみなキュレーターです。


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岸 裕真 個展「Imaginary Bones」

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