2021年11月20日

美術館に海が出現! 東京都現代美術館の巨大吹き抜け空間が「海」に




『ユージーン・スタジオ 新しい海』展が、2021年11月20日(土)より東京都現代美術館において開幕しました。





ユージーンスタジオ(EUGENE STUDIO)は寒川裕人によるアーティストスタジオ。国内での資生堂ギャラリーや金沢21世紀美術館での展示をはじめ、SF小説家や能とのコラボ、映像作品の数々の受賞など、国際的な注目が集まっているアーティストです。


代表作は白いキャンバスに人々が接吻して“愛”や“信仰”といった精神的な部分を絵画として現出させた《ホワイトペインティング》シリーズ。





本展では展覧会のタイトルにもなっているとおり、美術館に〈海〉(といって差し支えないでしょう)を創り出した大規模な最新作、インスタレーション《海庭》が目を奪います。





同館地下2階のアトリウムはこれまでもさまざまなアーティストが広さ、とりわけ高さのある空間を変貌させてきましたが、今回は同館の歴史に残る展示と言って差し支えないでしょう。

美術館の展示空間を一変させた〈海〉を出現させた大胆さと、静かな波がよせる繊細さに思わず立ち尽くしてしまいます。

もうひとつ、心を奪われたのが《善悪の荒野》。





この作品を見て、「あ、キューブリックのあの部屋」とピンとくる方も多いはず。「2001年宇宙の旅」のエンディングに登場した寝室のセットを再現。これを破壊し、焼失させたインスタレーションです。



淡い色の数万の点描で描かれた《レインボーペインティング》シリーズ

天から金箔と銀箔が降り注ぐ、あまりにもあまりにも美しい《GoldRain》


ドビュッシーの「夢想」を空で弾く人の映像作品《Our dreams》


スポーツの高揚や共感のメカニズムに迫った《あるスポーツ史家の部屋と夢より#連弾



最後に、本展にきたらぜひ体験すべき作品が新作〈想像〉《#暗闇で鑑賞 man》。

残念ながらこの作品は写真でお見せすることができない、というか誰も(作家本人も)見たこのない作品です。作品は本当に完全な暗闇の中で制作され、完全な暗闇の中で作品に触れて“鑑賞” するというもの。

以下の写真
2点は、スタッフが開けている作品への扉、もう一点は暗闇(イメージ)です。





そのため、作品鑑賞はひとりづつとなり、行列必至。話題になる前に見に(触りに?)いくことをおすすめします。


追記:予想通り〈想像〉はかなり待たされているようです。整理券を配布しているとのことですので、来場されたらはじめに整理券を受け取ってから、会場を回られた方がよいかと思います。

再入場も可能(念のためスタッフに確認してください)とのことですので、ぜひ同時開催の『クリスチャン・マークレー展』『久保田成子展』『MOTコレクション展』もご覧になるとよいかと思います。


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