2021年11月8日

ジム・ジャームッシュ✕尾崎世界観+松井大悟= 『ちょっと思い出しただけ』(第34回東京国際映画祭 コンペティション部門)



開催中の第34回東京国際映画祭「コンペティション部門」出品作品の『ちょっと思い出しただけ』をシネスイッチ銀座で見てきた。主演は池松壮亮、伊藤沙莉。監督は松井大悟。


池松壮亮が演じる照生は怪我が元で夢を諦めた元ダンサーの劇団の照明スタッフ、伊藤沙莉が演じる葉はタクシードライバー





物語は7月26日の1日を通じ、ふたりが別れたあとからはじまり、愛し合った日、喧嘩した日、冗談を言い合った日、出会った日と、ふたりの6年間の恋を巻き戻すかのように描かれていく。




この映画の成り立ちがちょっと変わっている。作品の成立に欠かせないのがジム・ジャームッシュと尾崎世界観のふたり。ジム・ジャームッシュ監督が1991年に制作したオムニバス映画「ナイト・オン・ザ・プラネット」。ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキのタクシードライバーと乗客の人間模様を描いたもの。


クリープハイプの尾崎世界観はこの「ナイト・オン・ザ・プラネット」を自身のオールタイムベスト映画に挙げており、ここから着想して「ナイトオンザプラネット」を制作している。そしてその曲に影響を受けた松居が完全オリジナルとして脚本を書き、映画化したのが本作。




そんなエピソードを知った上で、伊藤沙莉演じるタクシードライバーの葉に「夢は整備工」なんて言わせるあたり、ジム・ジャームッシュ好きにはたまらん演出。


クリープハイプの楽曲が流れる映像を見ていると、自分のもう帰らない日々を“ちょっと思い出して”しまう。


ニヤリ、ほろり の味わい深い作品だ。




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