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2015年12月18日

2014年5月26日

百貨店でワクワク。ISETAN-TAN-TANが話題

最近、百貨店にいきましたか? 近所のイオンやイトーヨーカドーの事じゃありませんよ。そう、三越とか阪急とか、あの百貨店です。元百貨店員だから肩を持つわけじゃありませんが、このところ、百貨店、がんばってます、っていうかおもしろくなっているな、と感じてます。




もちろん品揃えに関しては、近所の巨大ショッピングモールの方が取り扱い点数が多いだろうし、原宿や青山のセレクトショップの方が専門性が高くて気の利いたものが多いだろうと思います。でも、それらにないものが百貨店にはあります。

僕がこどもの頃は家族揃って百貨店に行くのが一大イベントでした。百貨店に行く時には、僕と兄は一張羅を着させられ、父も一番いい背広に大切にしている帽子、母親にいたってはウチにこんなご夫人がいたんだろうかという変身ぶりでした。そして、百貨店に行く時は、必ず映画がセットになっていました。百貨店に行く、それだけで、もうワクワクだったのです。百貨店はエンターテインメントだったのです。

こうした百貨店に行く際に抱くワクワク感は、百貨店の演出にもあります。例えば、今年4月に100歳を迎えた日本橋三越本店のライオンや、同店の4層吹き抜けに届かんばかりの「天女(まごころ)像」(佐藤玄々)がそびえる中央ホール、大阪梅田にある阪急うめだ本店の重厚なファサードやきらびやかな天井、9階に設けられた3フロア吹き抜けの広場なども、そうした劇場的空間の演出のひとつと言っていいでしょう。

このようにハードウェア面での演出が目立ちがちですが、実はそれ以上に百貨店の劇場的演出を盛り上げているのが「接客」です。開店時に店員が並んで、うやうやしくお客様を迎え入れたり、エレベータの乗降をエレベータガールが案内したり、商品を渡す際にわざわざカウンターから客側に出てきて手渡したり…、上げればキリがありません。こうした接客を過剰だと感じる方も少なからずいらっしゃるようですが、これを演出だと思って楽しめばいいのだと思います。ワクワクを感じて、百貨店を楽しんでもらえたらな、と思います。





ところで、そんな百貨店のワクワクを音楽にのせた歌が話題になっています。矢野顕子さんが手がけた伊勢丹オフィシャルソング『ISETAN-TAN-TAN』です。伊勢丹が大好きという矢野顕子さんが同店のショッピングバッグの柄として知られるタータン柄のリニューアルに合わせて制作されたそうです。コーラスには娘の坂本美雨さんが参加しています。

この曲に合わせて、伊勢丹の店員自らが踊るプロモーションビデオが話題に拍車をかけています。同店がこうしたプロモーションビデオを制作するのは今回が初めてという事ですが、僕の知る限りでは店員が踊るオフィシャルのプロモーションビデオなんて、初耳です。ビデオ制作に参加したのは、同店の国内はもちろん世界中の各店から、販売員を中心に約500名以上。振付はPerfumeの振付やライブ演出を手掛けているMIKIKOさん。

冒頭のカフェシーンでフラッシュモブかと思わせる演出がうまいな〜と思わせます。そして、開店時のお迎えを思わせるシーン、シーン転換で案内嬢が次のシーンへ誘う演出。もうそこここに百貨店体験が詰まっています。なんといっても、アッコちゃんのワクワク感いっぱいの楽曲(ご本人も2′38″ごろに登場します)、楽しそうに踊る店員のみなさんの表情がグッドです。

ね、百貨店、楽しそうでしょ。

『ISETAN-TAN-TAN』はiTunesで購入できます。
ISETAN-TAN-TAN - Single 矢野顕子


   


2014年3月29日

“いま”だからリアルに感じられる「なぞの転校生」

40年前に小坊、中坊だった諸君! 新しい「なぞてん」は見てますか?











毎回見るたびに、やっぱり僕のドラマ好きはここが原点なんだな、と再確認しています。小5の時の「タイムトラベラー」からはじまって、「夕ばえ作戦」、「未来からの挑戦」「幕末未来人」、そして「七瀬ふたたび」まで。少年ドラマシリーズでタイトルが出てくるのは眉村卓や光瀬龍、小松左京と、どれもSFジュブナイルばかり。


その後、何十年も経て、「ジュブナイル」(監督:山崎貴 / 2000年)、「HINOKIO」(監督:秋山貴彦 / 2005年)、そして「時をかける少女」(監督:細田守 / 2006年)、「サマーウォーズ」(監督:細田守 / 2009年)と続いてきたわけですが、どうもサマーウォーズ以降、ピンとくるSFジュブナイルが出てこないのを不満に思っていたところでの本作だったのテンションダダ上がりなわけです。


そんな中、今回のドラマ24の「なぞの転校生」はどんなテイストになるのか、とっても気になるところだったのですが、企画・プロデュース・脚本が岩井俊二さん(「Love Letter」「スワロウテイル」「リリシュシュのすべて」など)、監督が長澤雅彦さん(「青空のゆくえ」「夜のピクニック」など)ということで、いい感じの独特な空気感に仕上がっていて好感触。岩井さんは今回はテレビドラマシリーズを手がけるのははじめてという事で、期待して毎週欠かさず見ています。






舞台が原作の大阪、少ドラの時の東京とも違い、北関東の佐野市(青春ドラマってなぜか北関東の小都市で撮影される事が多いですね)というあたりが、いい空気感を生み出しているのかも。とりわけ、夕方、薄暮の時間帯に、街にギラつく感じがなくて、静かにゆっくりと夜に向かっていくあたりがとってもいいのです。この感じは、もう大都市では表現できないのかも。ぜひスクリーンで見てみたいと思わせる映像に仕上がっていると感じています(岩井色が強すぎるという声もあるようですが、僕は好きですね)。

少ドラ版で星野利晴さん(現在はNHK「にほんごであそぼ」などの振付師)が演じていた転校生・山沢典夫を本郷奏多さん(「HINOKIO」でのサトル役!)が演じるというのには若干の違和感を感じていたのですが、実際、見てみると、これはこれはかなりのハマリぶりかな、と。そして、岩田広一を演じる中村蒼さんには、どことなく少ドラ版の高野浩幸さんに似ていると感じていたら、な、な、なんと、劇中、サイエンス・ライターで広一の父親役を高野さんが演じているじゃないですか。なんてうれしいサプライズ。

もうひとりの主人公、香川みどり役の桜井美南さんはデビュー作で初主演、オープニングテーマの「今かわるとき」も担当。はじめてとは思えない堂々とした演技でこれからが楽しみな女優さんです。そして、後半の重要な役どころとなった姫・アスカ役の杉咲花さん(「夜行観覧車」「名もなき毒」など。Cook DoのCMでの中華の食べっぷりは見事です)の演技も要注目です。

SF要素の設定もきっちり練られていて、原作や少ドラでは未消化だった部分も新たな解釈がありながらも
、納得のいく設定になっていると思います。D-XX世界、次元ジャンプ、アイデンティカなど異次元からやってきた次元ジプシー(この言い方、好きだったんですが)、とだけ設定されていたものもかなり解説が加えられていて、眉村さんが設定を用意していたかと思うほどうまくハマっています。

モノリスの存在がD-8世界に恩恵を齎し、さらには破滅に追いやったという設定、D-8世界の人々の命を奪うのが“プロメテウスの火”としているあたりは、原発事故を多少なりとも意識しているからなのではないでしょうか? プロデューサーの岩井俊二さんは、仙台出身で東日本大震災後にドキュメンタリー「friends after 3.11」を撮っています。


40年前の「なぞてん」は夢物語でしたが、この十数年でテクノロジーが急速に進歩してきた事で、現実に代わりになるようなものが存在しはじめています。実現はしていなくても、モノリスがスマートフォンだったり、原発事故がD-8世界の破滅を垣間見せている“いま”だからこそ、「なぞ転」のドラマ世界をよりリアルに感じられるのかもしれません。




  


ところで、ここから最終話の話が絡んでくるので、未見の方にお断りしておきます。

“いま”だからこそ、リアルに感じられると書きましたが、最終話でD-15世界から次元調査団がやってきて、アスカとモノリオ(山沢典夫)を救出し、アスカを治癒できるD-15世界に連れていってしまいます。ラストシーン、モノリオがまるで「また明日」とでも言いたげな手の振り方で、広一とみどりに別れを告げ、次元ジャンプの扉の中に消えていきました。次元を超えた別れは、再びまた広一とみどりの前にやってくることができないかもしれないのに。

この“別れ”を見ていて、僕らは今後、こんな本当に繋がりが閉ざされてしまう別れを経験することはないのだろうな、と思いました。もし、この別れと同質の別れがあるとすれば、それは僕らにとってはもう “今生の別れ” しかないのだと思います。やっぱりそれは震災を経験したいまだからこそ、別れが重く堪え難いものであることを知っていて、だからこそ出会いが価値のあるかけがえのないものなのだと感じさせてくれるのです。


インターネットが普及して、地球の裏側の人とも気軽にやり取りできるようになりました。それでも物理的な距離が関係を遠くしてしまうのは、インターネット以前とさしてかわりはありませんでした。それが、ほんの数年前からソーシャルメディアが一般化してきたことで、物理的な距離はもちろん、何十年も会っていない人とも時間を超えて繋いでくれるようになりました。


その事はとても便利で、素晴らしい事ではあるのですが、やっぱり僕たちにとっての“モノリス”のような存在なのではないだろうかと思います。モノリスに振り回されず、便利さと豊かさを履き違えないようにするための、新しい時代の智慧が必要になるのだと「なぞてん」を通じて思いを強くしました。


2012年4月6日

デジタルハリウッド大学大学院でのおしごと。2012年度のゲスト講師について

唐突ですが、昨年2011年からデジタルハリウッド大学大学院の客員教授を務めさせていただいております。実は最近知り合った方は僕を大学の“せんせ”だと勘違いなさっている方が多くて、きちんと説明しなきゃなぁ〜と思っていたので、新学期がはじまるこの時期にちょっとお話しておこうかな、と思ったわけです。

まず、問題はFacebookだと思うのです。Facebookのプロフィール欄は時間列になっているので、最新のお仕事が一番上にきてしまい、それが現在の仕事のように見えてしまいます。実際には「〜から現在」となっている仕事としては、大学院の仕事の下に「フリーランス」があります。以前からお知り合いの方には認知いただいていますが、僕はいまもむかしもフリーランスのジャーナリスト/ライター、というわけです。ですので、取材やインタビューなどのご依頼はいまもむかしも首をながぁああくしてお待ちしております。



実は同学の学長である杉山さんとはそれこそお茶の水で同校を立ち上げられた十数年前(もっと前?)に取材させていただいてからの知り合いです。それが、一昨年末にひょんな事から大学院のお手伝いをするお話をいただき、実際に昨年4月から教壇に立たせていただいております。

僕は、仕事柄20年近くの間に渡ってさまざまなジャンルの数々のクリエイター、アーティストを取材し、インタビューしてきました。有名、無名さまざまで、当時はヒヨッコだった人もいまや簡単にメールも出せなくなっていたりするような方もいます。そうした、いわゆるクリエイティブ系の人脈をうまく活用して、さまざまなクリエイターに、これまでのインタビューよろしく、貴重なお話を聞き出していき、それを受講生が聞いて、自分のクリエイティブに目覚めてもらう、自分のビジネスにうまくつなげていく、といったスタイルで行うのを特徴としたのが僕の講義です。

講義の名称は実は「インタラクティブコンテンツ」というタイトルなのですが、インタラクティブコンテンツにこだわらずに好きなようにやっていい、と言っていただいたのもお手伝いするのを決めた理由のひとつでもありました。昨年の講義でも「インタラクティブな事はまったくやりません」と宣言してからはじめています。

昨年は震災直後の講義開始となった事で、実質的には遅れてのスタートとなったものの、お声がけさせていただいたみなさんからご快諾いただき、大変有意義な講義を行う事ができました。ご登壇いただいたのはメディアアーティストの八谷和彦さんをはじめ、千房けん輔さん(エキソニモ)、アートディレクターの宮田人司さん、アニメーション監督のFROGMANさん、フォトグラファーのJulie Wataiさん、東京ガールズコレクションチーフプロデューサー(当時)の永谷亜矢子さん、さらに特別講義には佐藤卓さんにお越しいただきました。

講義は夏前までの前期だけで終わり、もう1年で用済みかなと思っていたのですが、今年も同様にやってほしいというご要望をいただきましたので、調子に乗って今年も講義をさせていただく事にしました。

そこで今回のゲスト講師はここ数年で特に頭角を表してきた人を中心に出ていただこうと思い、ご登壇をお願いしました。以下が今期の講師陣です。

・加賀谷友典さん:”neurowear”プロジェクト
・玉置泰紀さん :関西ウォーカー編集長
・成瀬つばささん:“リズムシ”シリーズ
・真鍋大度さん :ライゾマティックス
・草野絵美さん :クゥーイー
・遠藤一郎さん :未来美術家

のみなさんです。この他、特別講義に出ていただく方に交渉を進めているところです。

残念ながら講義そのものはあくまで大学院の授業ですので、同学の大学院生でなければ受講できませんし、当然、USTREAMなどでの中継もできませんが、終了後すみやかにFacebookやブログなどで、講義の様子はお知らせしていければと考えていますので、ぜひ楽しみしていただければと思います。

2012年2月22日

『メ芸』開幕!文化庁メディア芸術祭受賞作品展レポート+大賞受賞作品についての雑感

文化庁メディア芸術祭は国立新美術館をメイン会場に
六本木の5会場で開催中。会期は3月4日まで

2月22日、『平成23年度[第15回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品展』国立新美術館(東京・六本木)をメイン会場に開幕しました。開幕前日の21日にはプレスおよび関係者内覧会が行われ、隣接する東京ミッドタウンでは贈呈式が行われ、いずれも参加させていただきました。大賞作品の紹介を中心に作品展の様子をレポートします。


2012年2月19日

クリエイティブから、町を愛し、郷土を思い、国を考える

ナガオカケンメイさんが長い間取り組んできているd design travelの延長上の取り組みとして、4月26日、渋谷に開業するヒカリエ 8Fに47都道府県をテーマにした「d47」がオープンする。ミュージアムや食堂などが開かれ、ここを拠点に47都道府県のさまざまな魅力を発信していこうというものだ。

『d design travel』。紙媒体だけでなくiPhoneアプリもある

ナガオカさんの取り組みだけではない。このところ、クリエイターによる地域に根ざしたさまざまな取り組みがあちこちで起きている。

2009年6月29日

ワンダーな映像の裏側は?

このところハマっている番組に、NHKの『ワンダー×ワンダー』という番組があります。自然や人などテーマにこだわらずに、そこでしかみる事ができないワンダーな瞬間、ワンダーな映像を届けようと言うものです。

毎回、おおっ、と驚嘆させる映像が紹介されるのですが、これまで、巨大な水晶の森に迫った「結晶洞窟」、プロの登山家でも難しいという「冬富士」などが紹介されました。そして、圧巻だったのが「アンデスの天空の鏡」ウユニ塩原。広大な塩の大地は見渡す鍵に真っ白な世界です。ここに降った雨はわずか1センチにも満たないような深さの水面を創り出し、これが天空を写し出す巨大な鏡となる。さらにこの現象が夜起きれば、満天の星空が足下にも広がる、というわけです。


しかし、まったく光のない世界で、満天の星空をビデオカメラでおさめるのは至難の業。一体どうやって撮影したのだろう、と思っていたら、なんとスチルカメラで連続撮影して、これをつなぎ合わせて映像にしたのだとか。なるほど。ん、でもそれなら、解像度のメチャ高いRED ONEならいけたんじゃないのかな?


先日、取材したRED ONEのテッドシュロビッツ氏の講演で、ほとんど街灯のない場所で月明かりだけで、撮影したという映像を紹介していましたが、驚くほど鮮明な映像でした。ま、その辺は僕は専門家ではないので、今後、詳しい人に聞いてみたいと思います。


http://journal.mycom.co.jp/articles/2009/06/16/redonerp/index.html