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2023年5月19日

シリーズ最終章へ突入! ワイスピ最新作『ワイルド・スピード ファイヤーブースト』公開!


22年間爆走してきたワイスピの最新作『ワイルド・スピード ファイヤーブースト』が本日19日公開になりました。

先日、一足早く完成披露試写で観せていただきました!


2016年8月8日

これぞ本当のゴジラだ!いまこそ本腰を入れて観たい「ゴジラ」(1954)


『シン・ゴジラ』を傑作と思った人はぜひ1954年の原点に触れてほしい。これを古くさいとか、現代社会とは違うと思わずに見てほしい。これが本当の「ゴジラ」だ!

「ゴジラ」と「シン・ゴジラ」で明らかに共通する点が、ゴジラを徹底的に恐怖の対象として描いていることにあります。

「ゴジラ」では、ゴジラが東京にやってきて海に帰っていくルートを空襲で飛来してきたB29爆撃機ルートになぞらえたり、広島や長崎、福竜丸による被爆がゴジラの体表や造形で表現されるなど、ゴジラを戦争のメタファーとして描いています。「シン・ゴジラ」ではあきらかに福島原発事故の被爆体験から、ゴジラを暴走する原発そのもの、まさに動く原発として描いています。「ゴジラ」(1954)以後のゴジラシリーズでは一貫して、ゴジラ=原爆もしくは原発として描き続けられています。なにも「シン・ゴジラ」ではじまったことではないのです。

そして、「ゴジラ」と「シン・ゴジラ」の決定的に異なる視点が、ゴジラを生物(1954年当時は動物と言った方が近いか)として、見ている視点です。

映画の中では、ゴジラを人類や人類の営みを蹂躙する、恐怖、脅威の存在として捉えるのを大勢としながらも、山根博士をはじめ一部の人々はゴジラを生物として捉えています。

この視点は一見すると、科学者としての視点として見逃されがちですが、ゴジラが生物であり、その “いきもの” を人の一方的なエゴによって葬り去ることへの疑問だけではなく、映画の終盤では、海の藻屑と消えていくゴジラへの哀れみの感情が包み込み、戦争が引き起こす悲しみ、それ以上に命を弄ぶことへの怒りがないまぜになって、観客にどうしようもない涙を誘います。

そしてもう一点。自身の革命的な発明(オキシジェンデストロイヤー)をゴジラとともにこの世から消し去るために命を捧げる芹沢博士を通じて描かれる、科学技術を狂信することへの警鐘があることにあります。

この生命への姿勢、科学技術への姿勢が、残念ながら「シン・ゴジラ」では描ききれていないと思うのです。

2016年8月2日

『シン・ゴジラ』は本当に傑作か!?



『シン・ゴジラ』、昨日2回目を見てきました。1回目は初日の深夜見てきました。一回だけだと、いろいろブレるだろうから、もう一度見て、よく噛み砕いてから、なにか書こうと思いました。

モロ庵野だとか、未確認生物だとか(オオタチ・ベビーか)、第一次防衛ラインだとか、血液が沸騰してるだとか、鉄オタが黙ってないとか、ダン・ダン・ダン・ダンダ・ダンダンだとか……。いろいろツッコミたいところはたっぷりあって、特筆すべき点や褒めたいところなど、いろいろ書きたいことがありました。


それでも、結論として、やっぱり僕には受け入れられません。


先に関係者試写で見た著名な業界関係者の方が、「すごい、すごいけど、賛否両論の論争になる」とおっしゃっていたのですが、なぜかいま周囲のみなさんの意見は、「すごい」、「傑作」、「ぜったい見た方がいい」、「見るべき●●の理由」、とか。みんな、褒めすぎ。いつも信頼にたる分析をしてくれるブロガーの方までも絶賛。


なぜストレートな批判がないのか。僕は1回見て、業界関係者の方が、賛否両論になる、とおっしゃったのが、よく理解できました。ところが初日、2日目、3日目になっても目立った批判が出てこない。なぜなんだろうと思って、考えてみました。


それで気づいたのが、書いている人のほとんどが、「ゴジラ」を知らないのだということ。いや、なにもゴジラという怪獣キャラクターを知らないと言っているのではなく、昭和29年『ゴジラ』から『ゴジラ FINAL WARS』までのゴジラをほとんど知らないのです。もう一つ言うなら、庵野秀明監督の作品も「エヴァンゲリオン」ぐらいしか知らない、樋口真嗣監督が特技監督を担当した「平成ガメラ」シリーズも知らないんじゃないかと。


残念ながら、僕も昭和29年には生まれていませんが、そのわずか10年ちょっと後、映画館の映写室の窓から、リバイバルの『ゴジラ』を見ました(父は映画館の看板描きだったので、よく映写室には忍び込んでました)。その時の恐怖たるや、マジでちびったのを覚えています。連れて行ってくれた母は、空襲を思い出すから見たくない、と言って終わるまでロビーで待っていました。


昭和40年頃の幼稚園に行ったかという頃の子どもの僕が見た、当時の『ゴジラ』の恐怖は、今回、『シン・ゴジラ』で見せられた恐怖なんか足元にも及ばない恐怖でした。まして、CGや特撮技術を知ってしまった(知りすぎてしまった)いまの僕には似非の恐怖にしか思えません。


それでもゴジラならびに怪獣映画を、ギャレス・エドワーズ版『GODZILLA』あたりから興味を持って、BDなんかで妙にきれいになったゴジラ映画の映像を見て、怪獣映画を知ったと思い違いをしているゴジラ初心者には、『シン・ゴジラ』体験が昭和29年の『ゴジラ』とイコールだと思ってしまうのは仕方のないことだと思います。


もちろん、単なる映画としてはそれで十分なのでしょう。フツーの映画なら、傑作だと思うし、よくやったアッパレと言いたいのですが、これはゴジラなんです。


今回の『シン・ゴジラ』のメインスタッフである、庵野秀明さんも樋口真嗣さんもほぼ同年代(庵野さんは60年、僕は62年、樋口さんは65年だったかな?)で、彼らももちろん子どものころにゴジラに取り憑かれた人たち。彼らは彼らの映画人生を、この映画に、『シン・ゴジラ』に、全部ぶっこんできたんだと思います。そこは素晴らしい、絶賛に値します。


しかし、僕としても、映画を見る側として同じだけの人生をゴジラにぶっこんできた側としては、こんなんじゃ、満足できない。庵野さん、樋口さん、昭和29年の『ゴジラ』を追体験させるだけで、満足したんですか? 原発をゴジラに置き換えれば、すべての人がリアルな恐怖を感じてくれると思ったんですか?


あなたたち、まだまだやれるでしょう。自分たちが過去創り出してきたコンテンツのエッセンスを形を変えて出すなんて、小手先のエンターテインメントに、僕は騙されませんよ。ましてや、日本の宝であるゴジラでそれをやってしまうなんて。もっと、世界が驚くオリジナルのゴジラを生み出してみてくださいよ。


次回作に期待します。おなじスタッフで、こんどこそ、これぞゴジラってのを見せてください。本当にがっかりさせないでくださいよ。


ひとつだけ、細かいことを。最後のシッポのアップ。あれだけはやめてほしかった。


http://shin-godzilla.jp

2016年2月14日

一人ぼっちの火星にゴキゲンなディスコミュージックが響き渡る:映画『オデッセイ』



映画『オデッセイ』を観てきました。監督はリドリー・スコット、主演はマット・デイモン。火星探査の事故で火星に一人取り残された宇宙飛行士ワトニーのサバイバルと、彼を救おうとするNASAをはじめ地球の人々による救出劇を、最新の科学的根拠を元に描いたSF映画。


というだけで、裏で暗躍する政府高官とのやりとりが緊張感に満ち満ちたサスペンス調なのか、はたまた宇宙に一人取り残された状況を疑似体験できるドキュメント風味なのか、と思っていたのですが、ぜ〜ぜん、違いました。この深刻そうな予告編にダマされちゃいけません。





マット・デイモン演じる植物学者ワトニーが、時折くだらないギャグを飛ばしたりしつつ、とにかく明るい。前向きに不可能と思うよなうなことを知恵と努力でひとつひとつ克服していく姿にどんどん感情移入できちゃいます。ラストのワトニーを救出するシーンでは思わず、やった!と声をあげちゃいました。映画館で声を上げるほどのめり込んだのはひさびさでした。

そしてなんといっても、ルイス艦長が火星に残していった70年代ディスコ・ミュージックがたまりません。ドナ・サマーの「ホット・スタッフ」ABBAの「恋のウォータールー」テルマ・ヒューストンの「ジス・ウェイ」、でもってグロリア・ゲイナーの「恋のサヴァイヴァル」なんて、おもいっきり洒落が効いてます。荒涼としてたった一人ぼっちの火星に流れるディスコサウンド。もうシュールを通り越して爆笑です。ただ、ディスコじゃないけど、デヴィッド・ボウイの「スターマン」がかかった時はちょっと泣きそうになりました。

はやくも今年のベストワンです。「スターウォーズ」なんて足元にも及びません。おもしろいよっ!

映画『オデッセイ』オフィシャルサイト


2015年12月20日

昨日から、映画『宇宙からのメッセージ』とテレビドラマ『宇宙からのメッセージ 銀河大戦』がごく一部で話題になっていますが、なんと、深作欣二監督の方の上映イベントがあるようです。なんてコアな。
Posted by 千葉 英寿 on 2015年12月20日

2015年12月19日

なんかかなり批判が出ているようですが、僕は映画としてはそこそこ面白かったと思うな。そもそも、今回のエピソード7以降が、蛇足なのはわかりきっていることなので、あとは見る側がどう楽しむか、じゃないのかと思うのです。ダークサイドに行けば、批判的に見てしまうだろうし、僕はライトサイドから映画を楽しみたいな、と。
Posted by 千葉 英寿 on 2015年12月18日

2015年12月18日

SWⅦ見た。でもって、一応、メモリアル版のパンフレットも。ただ日付が入っているってだけなんだけどね。なんていうか、やっぱり、ルーカスの映画じゃなくて、エイブラムスの映画になっていたってことだけは言っておこうかな。おもしろいことはおもしろいよ。
Posted by 千葉 英寿 on 2015年12月18日
一応見に来た。ま、いろいろ原稿とか、企画書とかお待ちいただいている皆さん、これだけはどうかご勘弁を。にしても、上映開始前に撮ったのに、絶賛上映中とか(笑)
Posted by 千葉 英寿 on 2015年12月18日

2015年12月16日


来年3月放送のNHK大河ファンタジー『精霊の守り人』。どんな映像になるのか、本当に楽しみ。
Posted by 千葉 英寿 on 2015年12月16日

2015年12月4日

東京コミコンの記者発表会にきています。この後、ウォズが登壇します。
Posted by 千葉 英寿 on 2015年12月3日

2015年11月27日

平成仮面ライダーの礎を築いた『仮面ライダークウガ』のBlu-rayが出るってだけなら、おっ、いいな! ぐらいですが、な、なんと、あの五代雄介役のオダギリジョーが証言映像にでているって!これはみなきゃなんないでしょう。
Posted by 千葉 英寿 on 2015年11月26日

2015年11月20日

STAR WARSな幻想世界を紡ぐ、セドリック・デルソーの写真展を紹介する記事を書きました。一見の価値あり。
Posted by 千葉 英寿 on 2015年11月20日

2014年6月8日

いまこそ「ゴジラ」! 60周年記念デジタルリマスター版が公開

6月7日から公開がはじまった『ゴジラ(60周年記念デジタルリマスター版)』を見てきました。6歳の時に父が看板描きの仕事をしていた近所の映画館で見てから、ビデオやDVDでは何度も見ましたが、スクリーンでは20年ほど前に横浜が最後だったかと。


鮮明な映像、クリアなサウンドで蘇った本作は必見です。いまひとつ迫力に欠ける場面があったゴジラがさらに迫力を増し、いままでボヤけてはっきりわからなかったゴジラに蹂躙される東京の夜の街が、鮮明に描き出されています。サウンドも、これまでセリフにノイズがかぶって聞き取りにくかったものがクリアになり、重低音の多い作品だけにひどく歪んでしまう事があった不快感が消えました。「ゴジラ」本来の魅力が60年を経て、新たに示されたと言えます。

そして、それ以上に再認識せざるを得なかったのが、そのストーリーです。

子どもの頃はただゴジラが怖くて、強さに圧倒されるばかりで、ゴジラの最後を異様に興奮して見た事を鮮明に記憶しています。それがおとなになって見返せば、芹沢の平和を望む科学者としての苦悩、そして恵美子への思慕、尾形と芹沢の間で揺れる恵美子、動物を愛するばかりに妄言に走ってしまう山根。平和を願う人々の思いに触れた時、あらためて作品の素晴らしさに感動してしまいました。

「ゴジラ」が世界に認められたのは、やはりモンスター映画だからではありません。映画として “名作” だからなのです。リブートされた『GODZILLA』を見る前に、いま一度、『ゴジラ』を見ることをすべての人に強くお勧めします。

なお、『ゴジラ(60周年記念デジタルリマスター版)』の劇場公開は二週間限定で、6月20日(金)には終了してしまいますが、劇場に足を運べない方に朗報です。7月はNHK-BSでさまざまなゴジラ特集が組まれ、ゴジラシリーズから9作品が放送されます。その中で『ゴジラ(60周年記念デジタルリマスター版)』も放送されます。詳細は以下でご確認ください。

[特別番組]
7月5日(土)20:00〜
ザ・プレミアム「ゴジラの大逆襲 〜お前は何者なのか?〜」

7月6日(日)23:00〜
「ゴジラ VS 伊福部昭 〜音で怪獣を描いた男〜」

[プレミアムシネマ]
7月8日(火)21:00〜22:41
 「ゴジラ 60周年記念デジタルリマスター版」(1954)

7月15日(火)21:00〜22:47
「ゴジラ」(1984)

7月21日(火)13:00〜14:32
「モスラ対ゴジラ」(1964)

7月22日(火)13:00〜14:36
「三大怪獣 地球最大の決戦」(1964)

7月22日(火)21:00〜22:46
「ゴジラVSデストロイア」(1995)

7月23日(火)13:00〜14:37
「怪獣大戦争」(1965)

7月24日(火)21:00〜14:51
「ゴジラVSメカゴジラ」(1993)

7月25日(火)13:00〜14:48
 「ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃」(2001)

7月29日(火)21:00〜22:30
「ゴジラ×メカゴジラ」(2002)

2014年6月2日

「ゴジラ」は反戦反核映画? BBCの取材にコメントしました

いよいよ米国をはじめ海外各地で、新作の「GODZILLA ゴジラ」の公開がスタートしました。

『GODZILLA ゴジラ』の日本公開は7月25日





怪獣ファン、特撮ファンはもちろん、多くの映画ファンも公開を心待ちにしているだろうと思いますが、ご存知のように本家本元の日本での公開は今夏7月までお預けです。これは、日本で公開されれば、多かれ少なかれ、いい評価も悪い評価も、ともに出てしまうでしょうし、それらの評価は確実に作品の評判に影響し、ひいては興行成績にも影響するのは必至。日本での評価が先に出てしまう前に、海外での評価を固め、興行成績に結果を出した後で日本で公開しようという事なのだろうと推測できます。

「ゴジラ」ならびに怪獣映画に対する日本人の意見は想像している以上に海外から重視されているようです。「ゴジラ:日本人はなぜ怪獣映画を愛するのか?」をテーマとしたBBCの記事で、日本人がゴジラならびに怪獣を愛する理由をたずねられ、数度のメールでのやり取りから、さまざまな疑問にお答えしました。

残念ながら僕は英語が堪能とまでいきませんので、僕の回答の微妙な部分をどこまで英語で表現しているのかは確認できていませんが、かなり丁寧に僕の意見を取り入れ、記事に反映したことは間違いないようです。微妙なニュアンスについて、もし齟齬がある事がわかったら、ブログで修正していければと思います。

BBCの記者の方とやり取りをしていて違和感を感じたのは、「ゴジラ」(1954)=反戦反核映画、という前提のもとで話を進めようとしている点でした。

たしかに、ゴジラは水爆実験で目覚めた怪獣だし、オキシジェンデストロイヤーが第三の兵器となって人類に再び戦火を引き起こさないようにゴジラとともに海の藻くずとなった芹沢博士。ゴジラの進撃ルートが東京大空襲でのB29の爆撃ルートをなぞらえているとか、ゴジラに蹂躙された東京の街と人々の姿を広島、長崎を取材して描いているなど、反戦反核を思わせる部分は多くみられます。





ですが、僕にはどうしてもそれがすべてとは思えません。敗戦から立ち直りつつあり、これから日本を本格的に復興させよう、という国民全体の士気があがってきていた当時の社会の雰囲気の中で、本多猪四郎監督や円谷英二特技監督、田中友幸プロデューサーら製作陣には、メッセージ性よりも先に、世界が驚く映画を作ってやろう、という意気があったのではないかと思います。

第二作となった「ゴジラの逆襲」(1955)ではゴジラがアンギラスと大阪城で対決する、その後の怪獣映画の原型となる怪獣バトルがスタートします。「ゴジラ」(1954)以降、シリーズ化していく怪獣映画の中で、リメイクされた「ゴジラ」(「ゴジラ」1984、「ゴジラ2000ミレニアム」1999)では核が取り上げられ、「ゴジラ対へドラ」(1971)のように環境問題などさまざまな社会的なテーマが盛り込まれた作品が制作される事はあっても、ストーリーの中心はあくまでVS怪獣、VS宇宙人、VS自衛隊であり、エンターテインメントに徹してきたのがゴジラシリーズだと思うのです。ゴジラシリーズについては「ゴジラ 東宝公式サイト」に詳しいのでぜひそちらをご覧下さい。








そうは言っても、原爆(広島、長崎)、水爆(第五福竜丸)、原発事故(福島)を経験した僕たち日本人にとって、ゴジラが持つ反戦反核という普遍的なテーマに真摯に向き合い、世界に向けてメッセージしていくのは、ゴジラを生み出した日本人として果たさなければならない責務だと思うのです。

ちなみに僕はまだ本作品は観ておりません。7月25日まで国外に旅行する予定もありませんしね。そういうわけで、どこかで試写会にでもいかない限り、公開当日、IMAX 3Dで見ることに決めています。このブログの続きは、公開後、作品を観てからにしたいと思います。


    

2014年6月1日

帰ってきた人造人間、『キカイダー REBOOT』を見逃すな!

スイッチオン! ワン、ツー、スリー!

仮面ライダーやスーパー戦隊の陰に隠れて、なかなか日の目を見なかった傑作「人造人間キカイダー」をリメイクした『キカイダー REBOOT』が劇場公開されています。特撮ドラマとしてNET(現在のテレビ朝日)系列で放送されていたのが1972年ですから、実に40年以上ぶりの復活です。

『キカイダー REBOOT』は絶賛公開中
キカイダーと宿敵ハカイダーとのロングバトルは必見

ご存じない方に簡単に説明しますと、キカイダーのジローは光明寺博士が生み出した人造人間(アンドロイド)。「良心回路」を持つことで、相手を殺せないという弱さを持ち、機械なのに、善と悪の狭間で葛藤し苦悩しつつ、プロフェッサー・ギル率いる悪の組織から光明寺博士の遺児ミツ子とマサルの姉弟を守るという使命のために戦います。正義と悪、なにが正しいのか、単純な勧善懲悪に終わらないテーマを持っており、ロボットの存在がリアルに感じられつつある現在において、普遍的でありながら、とても現在的な作品と言えます。

本作の「キカイダー REBOOT」は、リメイク作にありがちなコンセプトの迷走は見られず、良心回路の存在、善と悪の狭間での葛藤、自分が機械である事の苦悩など、単なるヒーローものに終わらない、原作が大事にしていたコンセプトに忠実に描かれていて好感が持てます。こうしたテーマを持つだけに、特撮ヒーローものでありながらドラマ部分を大事にしており、ジローとミツ子、マサルの心のふれあい、プロフェッサー・ギルの歪んだ野望、そして影の存在の巨悪など、本作のみでは収まらない、今後の展開を大いに期待させるストーリーとなっています。

また、近年のヒーローものに多い、味方も敵も多過ぎてなにがなんだかわからないというものではなく、キカイダーを阻む存在に、大型戦闘ロボット(形状や最初に戦う相手である事を考えれば、やはりグレイサイキングか?)、女性型アンドロイドのマリ、そしてキカイダーの仇敵ハカイダー、これだけ。それだけに、キカイダーと敵のバトルは濃密で、とりわけハカイダーとのバトルシーンは特撮史上まれみる長さではないでしょうか? また、変身体では最後まで登場しなかった人間体のままのマリの華麗なバトルスタイルは特撮ヒロインものの可能性すら感じさせました。そして、なんといってもプロフェッサー・ギルを演じる鶴見辰吾さん。「仮面ライダーフォーゼ」での悪玉ぶりが印象的だっただけに本作でのハマリぶりは必見です。


まさに兄弟関係にあるアンドロイド、ジロー(入江甚儀)とマリ(高橋メアリージュン)の決着は?

光明寺ミツ子(佐津川愛美)とジロー。人とキカイに愛は芽生える?

「良心回路」の発想した心理学者を1972年に人造人間キカイダーを演じた伴大介さんが熱演!

大作に押されてか、メディアではあまり注目されていないようですが、確実に劇場に足を運んでいる層はいるようです。前述のとおり、往年のファンも納得する部分も多く、某◯ッ◯ャマンの出来に比べれば、上々の仕上がりと言えるようです。やっぱり大事なのは、コンセプトやマインドという事なんでしょうね。



以下ネタバレを含みます。

いくつか残念だったのは、キカイダーとハカイダーのバイクアクション。特にキカイダーの大きな特徴と言えるサイドカーが登場しなかったので、ぜひ次回作では実現して欲しいです。またマリとは決着がついていませんが、ぜひマリの変身体でのバトルを見せて欲しいです。

それとこれは大事な部分なのですが、コンセプトに忠実に、と書きましたが、「良心回路」を邪魔なもののように扱っている点については、ちょっと違うな〜という感じがしました。「良心回路」があるからこそのキカイダーだという点を次回作では見直して描いて欲しいなと思います。また、ジローやミツ子を助けるネットジャーナリスト(原田龍二)の存在は悪くないのですが、彼の存在を通じてネットやスマートフォンを悪く描いているのは、どうにもしっくりこないなと感じました。

ハカイダーはバイクで登場します。ハカイダーが誰なのかは劇場で!

【作品情報】

『キカイダー REBOOT』

入江甚儀 
佐津川愛美 高橋メアリージュン 
原田龍二 中村育二・伴大介・山中聡 長嶋一茂
本田博太郎 石橋蓮司 
鶴見辰吾

原作/石ノ森章太郎 監督/下山天 脚本/下山健人
音楽/吉川清之 アクション監督/田渕景也(Gocoo)
VFXスーパーバイザー/美濃一彦(ツークン研究所)

©石森プロ・東映 ©2014「キカイダー」製作委員会


  

2014年5月3日

MoMAで話題になった「ティム・バートンの世界」展がこの秋、東京へ!



怖いのに優しい、醜いのにかわいい、不気味なのに美しい、悲しいのに笑える。愛と狂気が錯綜し、毒のある温かさに包まれた独特な映像世界を生み出し続けているティム・バートン監督。「フランケンウィニー」、「シザーハンズ」、「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」、「チャーリーとチョコレート工場」、そして「アリス・イン・ワンダーランド」。彼の手になる名作、奇作を上げたらキリがない。彼ほど奇才という形容詞が似合うクリエイターはいないでしょう。

はじめて彼の作品に出会ったのは「ビートルジュース」。たまたま時間ができてフラッと入って見たのですが、仕事で疲れていたりして虫の居所が悪かったのもあって、映画の印象は最悪でした。ひどくふざけた冗談のような内容にかなり失望した記憶があります。それでも、異様なほどにこの独特な映像世界が心から離れませんでした。それから少しして「シザーハンズ」という作品が話題になりました。僕はその監督の名前を見て、一気に見る気が失せました。残念な事に僕は「シザーハンズ」を公開時に見逃してしまったのです。

その数年後、ディズニーで「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」が公開になって、当時、ディズニー・アニメならなんでも手放しで喜んで見に行っていた事もあり、監督の名前も気にせず見に行きました。この時、同時公開された「フランケンウィニー」も合わせて、ティム・バートンという希有な才能とその独特な美の世界に、完全にノックアウトされました。それから以後、僕はすっかり彼のファンになってしまい、監督作品のほとんどを見ることになりました。

2009年、ニューヨーク近代美術館(MoMA)においてティム・バートン監督の展覧会が開かれ、大反響になっていると伝え聞きました。ぜひ見に行きたいと思ったのですが、残念ながらMoMAにまで足を運ぶ事はかないませんでした。それでも、これほどの反響ならすぐに日本にも巡回するだろうと高をくくっていたら、なんと日本にやってくるまで、実に5年もかかかってしまいました。そう、この秋、ティム・バートン監督の回顧展『ティム・バートンの世界』展が東京・六本木の森アーツセンターギャラリーで開催されるのです。



TIM BURTON -world of Tim Burton exhibition Prague 2014 promo
from Bernie Roux on Vimeo.


同展は2009年にMoMAで開催されて以降、ベルリンやパリで公開され、現在はプラハで開催されています。ご自身による膨大な量のスケッチやデッサン、オブジェなど約500点が日本初公開となる同展では、コレまでの作品や未公開映像作品なども特別上映されるとの事です。ぜひ「ビートルジュース」と「シザーハンズ」をスクリーンでリベンジしたいと思います。公開直前はまさに第27回東京国際映画祭(10月23日〜31日)が開催される次期となり、監督本人の登場も期待されます。いまから秋が本当に楽しみです。

ところで、なぜ僕が最初、ティム・バートンに嫌悪を感じ、その後ファンになったのかは、エドガー・アラン・ポー、レイ・ハリーハウゼン、ゴジラといった彼との共通点にあったことに、後になってわかりました。

【開催概要】
ティム・バートンの世界 THE WORLD OF TIM BURTON

会期:2014年11月1日(土)〜2015年1月4日(日)
11:00〜22:00(土日祝は23:00まで)
会場:森アーツセンターギャラリー(六本木)
料金:一般 1,800円、高校生・大学生 1,300円、こども(4歳〜中学生)800円

本展は2015年2月より大阪にも巡回します。会場など詳細がわかりましたら、続報します!


   


2014年3月29日

“いま”だからリアルに感じられる「なぞの転校生」

40年前に小坊、中坊だった諸君! 新しい「なぞてん」は見てますか?











毎回見るたびに、やっぱり僕のドラマ好きはここが原点なんだな、と再確認しています。小5の時の「タイムトラベラー」からはじまって、「夕ばえ作戦」、「未来からの挑戦」「幕末未来人」、そして「七瀬ふたたび」まで。少年ドラマシリーズでタイトルが出てくるのは眉村卓や光瀬龍、小松左京と、どれもSFジュブナイルばかり。


その後、何十年も経て、「ジュブナイル」(監督:山崎貴 / 2000年)、「HINOKIO」(監督:秋山貴彦 / 2005年)、そして「時をかける少女」(監督:細田守 / 2006年)、「サマーウォーズ」(監督:細田守 / 2009年)と続いてきたわけですが、どうもサマーウォーズ以降、ピンとくるSFジュブナイルが出てこないのを不満に思っていたところでの本作だったのテンションダダ上がりなわけです。


そんな中、今回のドラマ24の「なぞの転校生」はどんなテイストになるのか、とっても気になるところだったのですが、企画・プロデュース・脚本が岩井俊二さん(「Love Letter」「スワロウテイル」「リリシュシュのすべて」など)、監督が長澤雅彦さん(「青空のゆくえ」「夜のピクニック」など)ということで、いい感じの独特な空気感に仕上がっていて好感触。岩井さんは今回はテレビドラマシリーズを手がけるのははじめてという事で、期待して毎週欠かさず見ています。






舞台が原作の大阪、少ドラの時の東京とも違い、北関東の佐野市(青春ドラマってなぜか北関東の小都市で撮影される事が多いですね)というあたりが、いい空気感を生み出しているのかも。とりわけ、夕方、薄暮の時間帯に、街にギラつく感じがなくて、静かにゆっくりと夜に向かっていくあたりがとってもいいのです。この感じは、もう大都市では表現できないのかも。ぜひスクリーンで見てみたいと思わせる映像に仕上がっていると感じています(岩井色が強すぎるという声もあるようですが、僕は好きですね)。

少ドラ版で星野利晴さん(現在はNHK「にほんごであそぼ」などの振付師)が演じていた転校生・山沢典夫を本郷奏多さん(「HINOKIO」でのサトル役!)が演じるというのには若干の違和感を感じていたのですが、実際、見てみると、これはこれはかなりのハマリぶりかな、と。そして、岩田広一を演じる中村蒼さんには、どことなく少ドラ版の高野浩幸さんに似ていると感じていたら、な、な、なんと、劇中、サイエンス・ライターで広一の父親役を高野さんが演じているじゃないですか。なんてうれしいサプライズ。

もうひとりの主人公、香川みどり役の桜井美南さんはデビュー作で初主演、オープニングテーマの「今かわるとき」も担当。はじめてとは思えない堂々とした演技でこれからが楽しみな女優さんです。そして、後半の重要な役どころとなった姫・アスカ役の杉咲花さん(「夜行観覧車」「名もなき毒」など。Cook DoのCMでの中華の食べっぷりは見事です)の演技も要注目です。

SF要素の設定もきっちり練られていて、原作や少ドラでは未消化だった部分も新たな解釈がありながらも
、納得のいく設定になっていると思います。D-XX世界、次元ジャンプ、アイデンティカなど異次元からやってきた次元ジプシー(この言い方、好きだったんですが)、とだけ設定されていたものもかなり解説が加えられていて、眉村さんが設定を用意していたかと思うほどうまくハマっています。

モノリスの存在がD-8世界に恩恵を齎し、さらには破滅に追いやったという設定、D-8世界の人々の命を奪うのが“プロメテウスの火”としているあたりは、原発事故を多少なりとも意識しているからなのではないでしょうか? プロデューサーの岩井俊二さんは、仙台出身で東日本大震災後にドキュメンタリー「friends after 3.11」を撮っています。


40年前の「なぞてん」は夢物語でしたが、この十数年でテクノロジーが急速に進歩してきた事で、現実に代わりになるようなものが存在しはじめています。実現はしていなくても、モノリスがスマートフォンだったり、原発事故がD-8世界の破滅を垣間見せている“いま”だからこそ、「なぞ転」のドラマ世界をよりリアルに感じられるのかもしれません。




  


ところで、ここから最終話の話が絡んでくるので、未見の方にお断りしておきます。

“いま”だからこそ、リアルに感じられると書きましたが、最終話でD-15世界から次元調査団がやってきて、アスカとモノリオ(山沢典夫)を救出し、アスカを治癒できるD-15世界に連れていってしまいます。ラストシーン、モノリオがまるで「また明日」とでも言いたげな手の振り方で、広一とみどりに別れを告げ、次元ジャンプの扉の中に消えていきました。次元を超えた別れは、再びまた広一とみどりの前にやってくることができないかもしれないのに。

この“別れ”を見ていて、僕らは今後、こんな本当に繋がりが閉ざされてしまう別れを経験することはないのだろうな、と思いました。もし、この別れと同質の別れがあるとすれば、それは僕らにとってはもう “今生の別れ” しかないのだと思います。やっぱりそれは震災を経験したいまだからこそ、別れが重く堪え難いものであることを知っていて、だからこそ出会いが価値のあるかけがえのないものなのだと感じさせてくれるのです。


インターネットが普及して、地球の裏側の人とも気軽にやり取りできるようになりました。それでも物理的な距離が関係を遠くしてしまうのは、インターネット以前とさしてかわりはありませんでした。それが、ほんの数年前からソーシャルメディアが一般化してきたことで、物理的な距離はもちろん、何十年も会っていない人とも時間を超えて繋いでくれるようになりました。


その事はとても便利で、素晴らしい事ではあるのですが、やっぱり僕たちにとっての“モノリス”のような存在なのではないだろうかと思います。モノリスに振り回されず、便利さと豊かさを履き違えないようにするための、新しい時代の智慧が必要になるのだと「なぞてん」を通じて思いを強くしました。


2012年6月28日

さようなら、小美人・伊藤エミさん

ザ・ピーナッツのというより、僕にとっては「小美人」の伊藤エミさんがお亡くなりになりました。71歳だったそうです。

ホクロのある方が姉の伊藤エミさんですが、この画像ではわかりませんね。

2009年11月12日

これははずせない。『海底軍艦』DVD



東宝特撮映画DVDコレクションの第4弾『海底軍艦』をゲットしました。一昨日、発売だったにも関わらず、昨日、4件回って入手できず、先ほどようやく紀伊国屋書店で入手できました。