2014年6月2日

「ゴジラ」は反戦反核映画? BBCの取材にコメントしました

いよいよ米国をはじめ海外各地で、新作の「GODZILLA ゴジラ」の公開がスタートしました。

『GODZILLA ゴジラ』の日本公開は7月25日





怪獣ファン、特撮ファンはもちろん、多くの映画ファンも公開を心待ちにしているだろうと思いますが、ご存知のように本家本元の日本での公開は今夏7月までお預けです。これは、日本で公開されれば、多かれ少なかれ、いい評価も悪い評価も、ともに出てしまうでしょうし、それらの評価は確実に作品の評判に影響し、ひいては興行成績にも影響するのは必至。日本での評価が先に出てしまう前に、海外での評価を固め、興行成績に結果を出した後で日本で公開しようという事なのだろうと推測できます。

「ゴジラ」ならびに怪獣映画に対する日本人の意見は想像している以上に海外から重視されているようです。「ゴジラ:日本人はなぜ怪獣映画を愛するのか?」をテーマとしたBBCの記事で、日本人がゴジラならびに怪獣を愛する理由をたずねられ、数度のメールでのやり取りから、さまざまな疑問にお答えしました。

残念ながら僕は英語が堪能とまでいきませんので、僕の回答の微妙な部分をどこまで英語で表現しているのかは確認できていませんが、かなり丁寧に僕の意見を取り入れ、記事に反映したことは間違いないようです。微妙なニュアンスについて、もし齟齬がある事がわかったら、ブログで修正していければと思います。

BBCの記者の方とやり取りをしていて違和感を感じたのは、「ゴジラ」(1954)=反戦反核映画、という前提のもとで話を進めようとしている点でした。

たしかに、ゴジラは水爆実験で目覚めた怪獣だし、オキシジェンデストロイヤーが第三の兵器となって人類に再び戦火を引き起こさないようにゴジラとともに海の藻くずとなった芹沢博士。ゴジラの進撃ルートが東京大空襲でのB29の爆撃ルートをなぞらえているとか、ゴジラに蹂躙された東京の街と人々の姿を広島、長崎を取材して描いているなど、反戦反核を思わせる部分は多くみられます。





ですが、僕にはどうしてもそれがすべてとは思えません。敗戦から立ち直りつつあり、これから日本を本格的に復興させよう、という国民全体の士気があがってきていた当時の社会の雰囲気の中で、本多猪四郎監督や円谷英二特技監督、田中友幸プロデューサーら製作陣には、メッセージ性よりも先に、世界が驚く映画を作ってやろう、という意気があったのではないかと思います。

第二作となった「ゴジラの逆襲」(1955)ではゴジラがアンギラスと大阪城で対決する、その後の怪獣映画の原型となる怪獣バトルがスタートします。「ゴジラ」(1954)以降、シリーズ化していく怪獣映画の中で、リメイクされた「ゴジラ」(「ゴジラ」1984、「ゴジラ2000ミレニアム」1999)では核が取り上げられ、「ゴジラ対へドラ」(1971)のように環境問題などさまざまな社会的なテーマが盛り込まれた作品が制作される事はあっても、ストーリーの中心はあくまでVS怪獣、VS宇宙人、VS自衛隊であり、エンターテインメントに徹してきたのがゴジラシリーズだと思うのです。ゴジラシリーズについては「ゴジラ 東宝公式サイト」に詳しいのでぜひそちらをご覧下さい。








そうは言っても、原爆(広島、長崎)、水爆(第五福竜丸)、原発事故(福島)を経験した僕たち日本人にとって、ゴジラが持つ反戦反核という普遍的なテーマに真摯に向き合い、世界に向けてメッセージしていくのは、ゴジラを生み出した日本人として果たさなければならない責務だと思うのです。

ちなみに僕はまだ本作品は観ておりません。7月25日まで国外に旅行する予定もありませんしね。そういうわけで、どこかで試写会にでもいかない限り、公開当日、IMAX 3Dで見ることに決めています。このブログの続きは、公開後、作品を観てからにしたいと思います。


    

2014年6月1日

帰ってきた人造人間、『キカイダー REBOOT』を見逃すな!

スイッチオン! ワン、ツー、スリー!

仮面ライダーやスーパー戦隊の陰に隠れて、なかなか日の目を見なかった傑作「人造人間キカイダー」をリメイクした『キカイダー REBOOT』が劇場公開されています。特撮ドラマとしてNET(現在のテレビ朝日)系列で放送されていたのが1972年ですから、実に40年以上ぶりの復活です。

『キカイダー REBOOT』は絶賛公開中
キカイダーと宿敵ハカイダーとのロングバトルは必見

ご存じない方に簡単に説明しますと、キカイダーのジローは光明寺博士が生み出した人造人間(アンドロイド)。「良心回路」を持つことで、相手を殺せないという弱さを持ち、機械なのに、善と悪の狭間で葛藤し苦悩しつつ、プロフェッサー・ギル率いる悪の組織から光明寺博士の遺児ミツ子とマサルの姉弟を守るという使命のために戦います。正義と悪、なにが正しいのか、単純な勧善懲悪に終わらないテーマを持っており、ロボットの存在がリアルに感じられつつある現在において、普遍的でありながら、とても現在的な作品と言えます。

本作の「キカイダー REBOOT」は、リメイク作にありがちなコンセプトの迷走は見られず、良心回路の存在、善と悪の狭間での葛藤、自分が機械である事の苦悩など、単なるヒーローものに終わらない、原作が大事にしていたコンセプトに忠実に描かれていて好感が持てます。こうしたテーマを持つだけに、特撮ヒーローものでありながらドラマ部分を大事にしており、ジローとミツ子、マサルの心のふれあい、プロフェッサー・ギルの歪んだ野望、そして影の存在の巨悪など、本作のみでは収まらない、今後の展開を大いに期待させるストーリーとなっています。

また、近年のヒーローものに多い、味方も敵も多過ぎてなにがなんだかわからないというものではなく、キカイダーを阻む存在に、大型戦闘ロボット(形状や最初に戦う相手である事を考えれば、やはりグレイサイキングか?)、女性型アンドロイドのマリ、そしてキカイダーの仇敵ハカイダー、これだけ。それだけに、キカイダーと敵のバトルは濃密で、とりわけハカイダーとのバトルシーンは特撮史上まれみる長さではないでしょうか? また、変身体では最後まで登場しなかった人間体のままのマリの華麗なバトルスタイルは特撮ヒロインものの可能性すら感じさせました。そして、なんといってもプロフェッサー・ギルを演じる鶴見辰吾さん。「仮面ライダーフォーゼ」での悪玉ぶりが印象的だっただけに本作でのハマリぶりは必見です。


まさに兄弟関係にあるアンドロイド、ジロー(入江甚儀)とマリ(高橋メアリージュン)の決着は?

光明寺ミツ子(佐津川愛美)とジロー。人とキカイに愛は芽生える?

「良心回路」の発想した心理学者を1972年に人造人間キカイダーを演じた伴大介さんが熱演!

大作に押されてか、メディアではあまり注目されていないようですが、確実に劇場に足を運んでいる層はいるようです。前述のとおり、往年のファンも納得する部分も多く、某◯ッ◯ャマンの出来に比べれば、上々の仕上がりと言えるようです。やっぱり大事なのは、コンセプトやマインドという事なんでしょうね。



以下ネタバレを含みます。

いくつか残念だったのは、キカイダーとハカイダーのバイクアクション。特にキカイダーの大きな特徴と言えるサイドカーが登場しなかったので、ぜひ次回作では実現して欲しいです。またマリとは決着がついていませんが、ぜひマリの変身体でのバトルを見せて欲しいです。

それとこれは大事な部分なのですが、コンセプトに忠実に、と書きましたが、「良心回路」を邪魔なもののように扱っている点については、ちょっと違うな〜という感じがしました。「良心回路」があるからこそのキカイダーだという点を次回作では見直して描いて欲しいなと思います。また、ジローやミツ子を助けるネットジャーナリスト(原田龍二)の存在は悪くないのですが、彼の存在を通じてネットやスマートフォンを悪く描いているのは、どうにもしっくりこないなと感じました。

ハカイダーはバイクで登場します。ハカイダーが誰なのかは劇場で!

【作品情報】

『キカイダー REBOOT』

入江甚儀 
佐津川愛美 高橋メアリージュン 
原田龍二 中村育二・伴大介・山中聡 長嶋一茂
本田博太郎 石橋蓮司 
鶴見辰吾

原作/石ノ森章太郎 監督/下山天 脚本/下山健人
音楽/吉川清之 アクション監督/田渕景也(Gocoo)
VFXスーパーバイザー/美濃一彦(ツークン研究所)

©石森プロ・東映 ©2014「キカイダー」製作委員会


  

2014年5月26日

百貨店でワクワク。ISETAN-TAN-TANが話題

最近、百貨店にいきましたか? 近所のイオンやイトーヨーカドーの事じゃありませんよ。そう、三越とか阪急とか、あの百貨店です。元百貨店員だから肩を持つわけじゃありませんが、このところ、百貨店、がんばってます、っていうかおもしろくなっているな、と感じてます。




もちろん品揃えに関しては、近所の巨大ショッピングモールの方が取り扱い点数が多いだろうし、原宿や青山のセレクトショップの方が専門性が高くて気の利いたものが多いだろうと思います。でも、それらにないものが百貨店にはあります。

僕がこどもの頃は家族揃って百貨店に行くのが一大イベントでした。百貨店に行く時には、僕と兄は一張羅を着させられ、父も一番いい背広に大切にしている帽子、母親にいたってはウチにこんなご夫人がいたんだろうかという変身ぶりでした。そして、百貨店に行く時は、必ず映画がセットになっていました。百貨店に行く、それだけで、もうワクワクだったのです。百貨店はエンターテインメントだったのです。

こうした百貨店に行く際に抱くワクワク感は、百貨店の演出にもあります。例えば、今年4月に100歳を迎えた日本橋三越本店のライオンや、同店の4層吹き抜けに届かんばかりの「天女(まごころ)像」(佐藤玄々)がそびえる中央ホール、大阪梅田にある阪急うめだ本店の重厚なファサードやきらびやかな天井、9階に設けられた3フロア吹き抜けの広場なども、そうした劇場的空間の演出のひとつと言っていいでしょう。

このようにハードウェア面での演出が目立ちがちですが、実はそれ以上に百貨店の劇場的演出を盛り上げているのが「接客」です。開店時に店員が並んで、うやうやしくお客様を迎え入れたり、エレベータの乗降をエレベータガールが案内したり、商品を渡す際にわざわざカウンターから客側に出てきて手渡したり…、上げればキリがありません。こうした接客を過剰だと感じる方も少なからずいらっしゃるようですが、これを演出だと思って楽しめばいいのだと思います。ワクワクを感じて、百貨店を楽しんでもらえたらな、と思います。





ところで、そんな百貨店のワクワクを音楽にのせた歌が話題になっています。矢野顕子さんが手がけた伊勢丹オフィシャルソング『ISETAN-TAN-TAN』です。伊勢丹が大好きという矢野顕子さんが同店のショッピングバッグの柄として知られるタータン柄のリニューアルに合わせて制作されたそうです。コーラスには娘の坂本美雨さんが参加しています。

この曲に合わせて、伊勢丹の店員自らが踊るプロモーションビデオが話題に拍車をかけています。同店がこうしたプロモーションビデオを制作するのは今回が初めてという事ですが、僕の知る限りでは店員が踊るオフィシャルのプロモーションビデオなんて、初耳です。ビデオ制作に参加したのは、同店の国内はもちろん世界中の各店から、販売員を中心に約500名以上。振付はPerfumeの振付やライブ演出を手掛けているMIKIKOさん。

冒頭のカフェシーンでフラッシュモブかと思わせる演出がうまいな〜と思わせます。そして、開店時のお迎えを思わせるシーン、シーン転換で案内嬢が次のシーンへ誘う演出。もうそこここに百貨店体験が詰まっています。なんといっても、アッコちゃんのワクワク感いっぱいの楽曲(ご本人も2′38″ごろに登場します)、楽しそうに踊る店員のみなさんの表情がグッドです。

ね、百貨店、楽しそうでしょ。

『ISETAN-TAN-TAN』はiTunesで購入できます。
ISETAN-TAN-TAN - Single 矢野顕子


   


2014年5月19日

誰から戦地に行くのか? ではなく、どうやったら誰も戦地に行かずにすむか?

「広告批評」に30年ほど前に掲載された「まずは、総理から前線へ」(コピー:糸井重里さん、デザイン:浅葉克己さん)がまた話題になってます。もう何度目だろ?


「まず、総理から前線へ。」
デザイン:浅葉克己 コピー:糸井重里

近しい方々が、広告であることをすっかり置いてけぼりにして、有事に司令官が戦地に行けるわけない、お花畑左翼はこれだから、って(広告コピーに)マジレスしちゃう論議になっていて(この論議も数年に一度、忘れられた頃に出てくるんですよね)、ホントに残念です。

論議が起きるのは、この広告が反戦広告だという事を考えれば、十二分に役割を果たしているとは思いますが、この広告をネタにマジレスしちゃうのはどうにも的外れな感じがしちゃいます。少なくとも広告の事をまったく知らない素人じゃないんだから。わかりやすく言えば、ビートたけしが「赤信号、みんなで渡れば怖くない」って毒舌漫才やってた時に、交通ルールを守れとか、別に渡れるなら渡っちゃうのは自己責任だろ、と放送作家や芸能関係者がマジ論議しちゃってるのと同じ。どうにもカッコ悪いです。

ともあれ、戦争論議そのものは、ぜひやっていくべきだとは思いますが、「まずは、総理から前線へ」の部分にとらわれずに論議できたらいいんじゃないかと思います。

戦争になったら誰が戦地に行くのかではなく、まずは、戦争を起こさないために、僕たちになにができるのかを論議する事が先だと思うのです。その上で、どうしても回避できない事態になった場合、自分はどうするのかを、総理も含め腹づもりをしておけばいいのではないのでしょうか? 誰かの考えを自分の考えで押さえ込むような言い方をするのは、まさに忌わしき先の大戦で他でもない僕たち日本人がやってきた事で、これだけはやめていただきたいと思います。

それにしても、30年経っても話題になるのは、反戦広告という普遍性があるものだという事だけじゃなく、30年経っても日本の姿勢がブレブレだって事の現れでもあるってことですね。先を見据えてってわけでもないとは思いますが、いずれにしても、糸井さん、浅葉さんってやっぱりすごいですねぇ。

「とにかく死ぬのヤだもんね。」
デザイン:副田高行 コピー:糸井重里


ところで、天野祐吉さんがブログで「とにかく死ぬのヤだもんね。」の方を推しているんですが、もし、この広告はこっちのコピーだったら、どうなったんでしょうね。コピーとしては「とにかく死ぬのヤだもんね。」の方が僕もいい出来だと思いますし、好きなんですが(とくに「とにかく』の部分)、「まずは、総理から前線へ」のようにマジ論議のネタにはならなかったかもしれませんね。

2014年5月3日

MoMAで話題になった「ティム・バートンの世界」展がこの秋、東京へ!



怖いのに優しい、醜いのにかわいい、不気味なのに美しい、悲しいのに笑える。愛と狂気が錯綜し、毒のある温かさに包まれた独特な映像世界を生み出し続けているティム・バートン監督。「フランケンウィニー」、「シザーハンズ」、「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」、「チャーリーとチョコレート工場」、そして「アリス・イン・ワンダーランド」。彼の手になる名作、奇作を上げたらキリがない。彼ほど奇才という形容詞が似合うクリエイターはいないでしょう。

はじめて彼の作品に出会ったのは「ビートルジュース」。たまたま時間ができてフラッと入って見たのですが、仕事で疲れていたりして虫の居所が悪かったのもあって、映画の印象は最悪でした。ひどくふざけた冗談のような内容にかなり失望した記憶があります。それでも、異様なほどにこの独特な映像世界が心から離れませんでした。それから少しして「シザーハンズ」という作品が話題になりました。僕はその監督の名前を見て、一気に見る気が失せました。残念な事に僕は「シザーハンズ」を公開時に見逃してしまったのです。

その数年後、ディズニーで「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」が公開になって、当時、ディズニー・アニメならなんでも手放しで喜んで見に行っていた事もあり、監督の名前も気にせず見に行きました。この時、同時公開された「フランケンウィニー」も合わせて、ティム・バートンという希有な才能とその独特な美の世界に、完全にノックアウトされました。それから以後、僕はすっかり彼のファンになってしまい、監督作品のほとんどを見ることになりました。

2009年、ニューヨーク近代美術館(MoMA)においてティム・バートン監督の展覧会が開かれ、大反響になっていると伝え聞きました。ぜひ見に行きたいと思ったのですが、残念ながらMoMAにまで足を運ぶ事はかないませんでした。それでも、これほどの反響ならすぐに日本にも巡回するだろうと高をくくっていたら、なんと日本にやってくるまで、実に5年もかかかってしまいました。そう、この秋、ティム・バートン監督の回顧展『ティム・バートンの世界』展が東京・六本木の森アーツセンターギャラリーで開催されるのです。



TIM BURTON -world of Tim Burton exhibition Prague 2014 promo
from Bernie Roux on Vimeo.


同展は2009年にMoMAで開催されて以降、ベルリンやパリで公開され、現在はプラハで開催されています。ご自身による膨大な量のスケッチやデッサン、オブジェなど約500点が日本初公開となる同展では、コレまでの作品や未公開映像作品なども特別上映されるとの事です。ぜひ「ビートルジュース」と「シザーハンズ」をスクリーンでリベンジしたいと思います。公開直前はまさに第27回東京国際映画祭(10月23日〜31日)が開催される次期となり、監督本人の登場も期待されます。いまから秋が本当に楽しみです。

ところで、なぜ僕が最初、ティム・バートンに嫌悪を感じ、その後ファンになったのかは、エドガー・アラン・ポー、レイ・ハリーハウゼン、ゴジラといった彼との共通点にあったことに、後になってわかりました。

【開催概要】
ティム・バートンの世界 THE WORLD OF TIM BURTON

会期:2014年11月1日(土)〜2015年1月4日(日)
11:00〜22:00(土日祝は23:00まで)
会場:森アーツセンターギャラリー(六本木)
料金:一般 1,800円、高校生・大学生 1,300円、こども(4歳〜中学生)800円

本展は2015年2月より大阪にも巡回します。会場など詳細がわかりましたら、続報します!


   


2014年4月30日

夏までに絶対行きたい! レアンドロ・エルリッヒ展

レアンドロ・エルリッヒ《スイミング・プール》
Photo by Hidetoshi Chiba

金沢21世紀美術館の目玉展示として、アート好きな方のみならず、金沢に観光にきたらこれを見なきゃ、とまで言われているのが、この『スイミング・プール』です。「プール」という僕たちが知っているありきたりのものを、これまで考えた事もなかった新しい視点で、非日常のモノに変化させています。

知ってしまえば、な〜んだ、という、まるでとんちのような作品なのですが、このちょっとしたひねりが生み出す新鮮な視点は、まさにレアンドロ・エルリッヒさんならでは。ちょっと驚くとともに、誰もが気軽に体感できる作品を通じて、アートに対する垣根が取り払われ、親しみさえ感じることができます。さらに、自分にもなにか新しい発想が生み出せるんじゃないかと、ちょっとだけ、クリエイティブな思考に目覚めさせてくれる作品でもあります。

90年代はじめから次々に出てきたさまざまなアート表現の中で、誰もが共有できるモノやコトに対して、現実に見えているモノとは違った見方を与えてしまうという、いわば “視覚のマジック” と言えるのがエルリッヒさんの作風。こうした手法は、現代美術といわれる芸術の特徴のひとつとして定着しています。

さて、いったいどんな作品なのか、種明かしはぜひ金沢まで行ってご自分で体験してきてください。

金沢21世紀美術館
Photo by Hidetoshi Chiba

レアンドロ・エルリッヒ《スイミング・プール》
Photo by Hidetoshi Chiba

そのレアンドロ・エルリッヒさんの日本での初個展となる『レアンドロ・エルリッヒ ーありきたりの?』が、この夏、金沢21世紀美術館で開催されます。同館の恒久展示作品である「スイミング・プール」をはじめ、「サイドウォーク」、「くりかえし」、「雲」、「エレベータの迷路」、「階段」、「エレベータ・ビッチ」、「見えない庭」、「ログ・キャビン」、「住宅」などが出展されます。

「スイミング・プール」はまだ、という方はもちろん、エルリッヒさんの作品が好きな方も、「スイミング・プール」と一緒に数々の作品を見ることができる、またとないこの機会に、ぜひこの夏は金沢に足を運んでみてはいかがでしょう。僕もひさびさに金沢に行こうと思います。

ちなみにエルリッヒさんの作品は金沢以外にも、日本各地で見ることができます。例えば、新潟で行われている「越後妻有 大地の芸術祭」に出品された「トンネル」(キナーレ、2014)、そして香川で行われている「瀬戸内芸術祭」に出品された「美しく捨てられて」(屋島ケーブル山頂駅跡、2013)、「不在の存在」(女木島、2010)も見ることができます。




東京都現代美術館で開催された「うさぎスマッシュ」展でのレアンドロ・エルリッヒさん
Photo by Hidetoshi Chiba

レアンドロ・エルリッヒ《ロスト・ガーデン》
Photo by Hidetoshi Chiba

【開催概要】
開館10周年記念『レアンドロ・エルリッヒ ーありきたりの?』

会期:2014年5月3日(土)〜8月31日(日)
10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)
会場:金沢21世紀美術館 展覧会ゾーン
休場日:月曜日(ただし、5月5日、7月21日、8月11日は開場)、5月7日、7月22日
料金:一般 1,000円(800円)、大学生 800円(600円)、小中高生 400円(300円)、65歳以上の方=800円
※( )内は団体料金(20名以上)及び前売りチケット料金
※本展観覧券で、「コレクション展 I」も合わせてご覧いただけます。


 

2014年3月29日

“いま”だからリアルに感じられる「なぞの転校生」

40年前に小坊、中坊だった諸君! 新しい「なぞてん」は見てますか?











毎回見るたびに、やっぱり僕のドラマ好きはここが原点なんだな、と再確認しています。小5の時の「タイムトラベラー」からはじまって、「夕ばえ作戦」、「未来からの挑戦」「幕末未来人」、そして「七瀬ふたたび」まで。少年ドラマシリーズでタイトルが出てくるのは眉村卓や光瀬龍、小松左京と、どれもSFジュブナイルばかり。


その後、何十年も経て、「ジュブナイル」(監督:山崎貴 / 2000年)、「HINOKIO」(監督:秋山貴彦 / 2005年)、そして「時をかける少女」(監督:細田守 / 2006年)、「サマーウォーズ」(監督:細田守 / 2009年)と続いてきたわけですが、どうもサマーウォーズ以降、ピンとくるSFジュブナイルが出てこないのを不満に思っていたところでの本作だったのテンションダダ上がりなわけです。


そんな中、今回のドラマ24の「なぞの転校生」はどんなテイストになるのか、とっても気になるところだったのですが、企画・プロデュース・脚本が岩井俊二さん(「Love Letter」「スワロウテイル」「リリシュシュのすべて」など)、監督が長澤雅彦さん(「青空のゆくえ」「夜のピクニック」など)ということで、いい感じの独特な空気感に仕上がっていて好感触。岩井さんは今回はテレビドラマシリーズを手がけるのははじめてという事で、期待して毎週欠かさず見ています。






舞台が原作の大阪、少ドラの時の東京とも違い、北関東の佐野市(青春ドラマってなぜか北関東の小都市で撮影される事が多いですね)というあたりが、いい空気感を生み出しているのかも。とりわけ、夕方、薄暮の時間帯に、街にギラつく感じがなくて、静かにゆっくりと夜に向かっていくあたりがとってもいいのです。この感じは、もう大都市では表現できないのかも。ぜひスクリーンで見てみたいと思わせる映像に仕上がっていると感じています(岩井色が強すぎるという声もあるようですが、僕は好きですね)。

少ドラ版で星野利晴さん(現在はNHK「にほんごであそぼ」などの振付師)が演じていた転校生・山沢典夫を本郷奏多さん(「HINOKIO」でのサトル役!)が演じるというのには若干の違和感を感じていたのですが、実際、見てみると、これはこれはかなりのハマリぶりかな、と。そして、岩田広一を演じる中村蒼さんには、どことなく少ドラ版の高野浩幸さんに似ていると感じていたら、な、な、なんと、劇中、サイエンス・ライターで広一の父親役を高野さんが演じているじゃないですか。なんてうれしいサプライズ。

もうひとりの主人公、香川みどり役の桜井美南さんはデビュー作で初主演、オープニングテーマの「今かわるとき」も担当。はじめてとは思えない堂々とした演技でこれからが楽しみな女優さんです。そして、後半の重要な役どころとなった姫・アスカ役の杉咲花さん(「夜行観覧車」「名もなき毒」など。Cook DoのCMでの中華の食べっぷりは見事です)の演技も要注目です。

SF要素の設定もきっちり練られていて、原作や少ドラでは未消化だった部分も新たな解釈がありながらも
、納得のいく設定になっていると思います。D-XX世界、次元ジャンプ、アイデンティカなど異次元からやってきた次元ジプシー(この言い方、好きだったんですが)、とだけ設定されていたものもかなり解説が加えられていて、眉村さんが設定を用意していたかと思うほどうまくハマっています。

モノリスの存在がD-8世界に恩恵を齎し、さらには破滅に追いやったという設定、D-8世界の人々の命を奪うのが“プロメテウスの火”としているあたりは、原発事故を多少なりとも意識しているからなのではないでしょうか? プロデューサーの岩井俊二さんは、仙台出身で東日本大震災後にドキュメンタリー「friends after 3.11」を撮っています。


40年前の「なぞてん」は夢物語でしたが、この十数年でテクノロジーが急速に進歩してきた事で、現実に代わりになるようなものが存在しはじめています。実現はしていなくても、モノリスがスマートフォンだったり、原発事故がD-8世界の破滅を垣間見せている“いま”だからこそ、「なぞ転」のドラマ世界をよりリアルに感じられるのかもしれません。




  


ところで、ここから最終話の話が絡んでくるので、未見の方にお断りしておきます。

“いま”だからこそ、リアルに感じられると書きましたが、最終話でD-15世界から次元調査団がやってきて、アスカとモノリオ(山沢典夫)を救出し、アスカを治癒できるD-15世界に連れていってしまいます。ラストシーン、モノリオがまるで「また明日」とでも言いたげな手の振り方で、広一とみどりに別れを告げ、次元ジャンプの扉の中に消えていきました。次元を超えた別れは、再びまた広一とみどりの前にやってくることができないかもしれないのに。

この“別れ”を見ていて、僕らは今後、こんな本当に繋がりが閉ざされてしまう別れを経験することはないのだろうな、と思いました。もし、この別れと同質の別れがあるとすれば、それは僕らにとってはもう “今生の別れ” しかないのだと思います。やっぱりそれは震災を経験したいまだからこそ、別れが重く堪え難いものであることを知っていて、だからこそ出会いが価値のあるかけがえのないものなのだと感じさせてくれるのです。


インターネットが普及して、地球の裏側の人とも気軽にやり取りできるようになりました。それでも物理的な距離が関係を遠くしてしまうのは、インターネット以前とさしてかわりはありませんでした。それが、ほんの数年前からソーシャルメディアが一般化してきたことで、物理的な距離はもちろん、何十年も会っていない人とも時間を超えて繋いでくれるようになりました。


その事はとても便利で、素晴らしい事ではあるのですが、やっぱり僕たちにとっての“モノリス”のような存在なのではないだろうかと思います。モノリスに振り回されず、便利さと豊かさを履き違えないようにするための、新しい時代の智慧が必要になるのだと「なぞてん」を通じて思いを強くしました。


2014年3月25日

次期MacBook AirはRetina搭載でボタンレス!?

老舗のMac関連の噂サイト「MacRumor」がまもなく新型のMacBook Airが登場すると記事にしています。

新しいMacBook AirとはRetinaディスプレイを搭載した12インチ(11インチではなく)のモデルとの事ですが、こちらについては以前から噂されておりましたし、「Proに搭載されていて、なんでAirで出ないんだ」という声は常にありました。考えてみれば、いまやアップル製品でRetinaディスプレイが搭載されていないのは、MacBook Airぐらいでは、という状況。そう考えれば、Retinaディスプレイ搭載MacBook Airの登場は遅かれ早かれいずれ約束されていたようなもので、既定路線ではないかと思われます。


軽くて薄くて思ったよりも丈夫なMacBook Air。これがRetinaディスプレイになったら、
僕的にはますますiPadを持ち歩く理由がなくなります。

サイズが11インチではなく12インチになることで、13インチもなくして、12インチに一本化するということなのか、Retinaディスプレイ非搭載のMacBook Airが現行の11インチ、13インチがラインナップされたままなのかは出てみない事にはなんともわかりませんが、いずれにしても、薄くて軽い筐体にあの美しいRetinaディスプレイが搭載されるのはなんともワクワクする事ではあります。

それ以上に僕が注目しているのは「buttonless trackpad=ボタンのないトラックパッド」の方。現状のMacBook Airのトラックパッドは見た目にはボタンがない形状をしていますが、実際はパッド面の手前側が物理的なクリックができる構造になっています。

buttonless trackpadはこの物理的なクリックをなくし、タッチのみでのトラックパッド操作を実現させようというものではないかと思います。実際、現状でもパッドの操作はクリックしなくともタッチのみでも操作は可能で、完全にボタンレスに移行にするのはさして難しい事ではないだろうと思います。


見た目にはボタンがあるようには見えない形状のMacBook Airのトラックパッド


ただ、現状、僕が使用しているMacBook Airのトラックパッドは操作不良ぎみで、さわるだけで過剰に反応したり、そうかと思えばまったく反応しなかったり、とトラブル続きであるのが、新型トラックパッドで改善されるのか気にかかるところではあります。

僕はこれまでPowerBook 100シリーズから20年以上、Macノートを使い続けていますが、いまこの執筆にも使っているMacBook Airはこれまでになくもっとも使いにくいものになっています(もちろん購入当初は問題なく動作していましたし、基本性能が僕的に最高なのですが)。そのため、急ぎの仕事や失敗をなるべく減らしたい作業の時には、致し方なくマウスを接続して作業する事もしばしあり、それはこれまでにまったくなかった経験です。


この操作が画面上で悲劇を生み出しています。
いい加減、ジーニアスバーに持って行くか、その前に新型が出るか

ボタンレス・トラックパッドに移行するという事はどういった意味があり、ユーザに恩恵を齎すものなのか、はたまた苦行を強いるものになってしまうのか。MacBook Air Retinaの登場がいまから待ち遠しいです。

※追記
残念ながら新たに投入されたMacBook Airは、Retina ディスプレイの搭載などは見送られ、ほぼ現行製品のマイナーチェンジに終わりました。次期モデルに期待したいですね。

2014年3月8日

シネマで楽しむ超弩級の迫力舞台。新感線のゲキシネ「ZIPANG PUNK〜五右衛門ロックIII」!

今日は朝から打ち合わせ2本、納めなければならない原稿2本で、とても試写会に行く時間はなかったのですが、今日が最終試写という事で行くことにしました。原稿はなんとか無事夕方までに送ったし。

ご存知の方には説明不要だと思いますが、これはゲキシネ10周年記念作品『ZIPANG PUNK〜五右衛門ロックIII』です。いまや映画やテレビの世界にも影響を与えまくっている劇団☆新感線の大人気公演「五右衛門ロック」シリーズの最新作で、2012年〜13年にかけて東京・大阪で上演され13万人を動員した作品です。




主役の五右衛門役は新感線の大看板、古田新太。この豪快な五右衛門があの“あまちゃん”の太巻というのだから、役者ってやっぱスゴい! 新感線の公演は客演もスゴい!! 五右衛門と時には対峙または共闘する探偵・明智心久郎役に三浦春馬。たしかにイケメン役ではあるのですが、迫力のある表情、予想以上の歌声に度肝を抜きます。もうひとりの目玉客演となる女盗賊・猫の目お銀役の蒼井優の歌いっぷりにも驚きます。って驚いてから、彼女はアニー出身だったの思い出して合点がいったり。

驚いたのは、謎のフランス人、シャルル・ド・ボスコーニュ役。オダギリ・ジョー演ずる仮面ライダークウガを苦しめた最強のグロンギ、ン・ダグバ・ゼバの人間体役の浦井健司(知らないか)! そして、新感線の超新星(期待)で、仮面ライダーブラーボこと、元傭兵にしてオネエの人気パティシエの凰蓮・ピエール・アルフォンゾ役、吉田メタルも!

他に春来尼役の高橋由美子もよかった。あのミコタカハシュー(@江川達也先生)もすっかり舞台女優の貫禄十分です。新感線初参戦が意外な麿赤兒の老獪・豊臣秀吉の怪演、村井国夫の蜂ヶ谷善兵衛のワルぶりもしびれます。

肝心のストーリーですが、空海の秘宝に隠された謎をめぐって、五右衛門率いる盗人たちと、京都所司代目付の探偵・明智心久郎、そこに横槍を入れてくる堺の町人とイスパニア人、さらにカブキもの前田慶次郎、石田“治部少輔”光成と豊臣秀吉が加わって、なにやら天下を揺るがす大事件へと……。





いやあ、183分の長丁場もさすが新感線。あっという間の3時間でした。おもしろいっ! 正直を言えば、実際に舞台を見たかったのですが、人気の舞台になかなか手が出ず。今回、ゲキシネ化という事で、待ってましたっ! というのが本音です。3月29日のロードショー公開で、ぜひいま一度。

ところで、このゲキシネ。いわゆるODS(Other Digital Stuff)と言われる非映画系上映コンテンツのひとつです。ODSには他にAKB48のようにライブやコンサート中継、スポーツ中継などがシネコンを中心に上映されています。このゲキシネやシネマ歌舞伎に代表される演劇も、デジタルシネマの技術を持って、ライブ感を余すところなく収めたコンテンツとして、人気が出てきています。

本作は新感線の舞台では、いわゆるロックな音モノとして、もっとも音を重視した舞台。ゲキシネ化するにあたり、ハリウッドにあるワーナーブラザースのスタジオで、ハリウッドのトップクラスのサウンドミキサーが手がけただけあって、迫力満点。シネコンで舞台。ちょっと変ったエンタメですが、必ず楽しめるはずです。


2014年3月29日(土)より全国ロードショー

 


2014年3月6日

もうすぐまたあの日がめぐってきます。『3.11映画祭』開催

もうすぐまたあの日がめぐってきます。あれからもう三年なのか、まだ三年なのか。すっかり忘れてしまったという人はいないまでも、もう“震災”の二文字を意識しない日々を送っている人は多いのだろうと思います。その反面、ボランティアであったり、仕事を通じたり、さまざまな形で復興支援を続けている人もたくさんいるのだろうと思います。




3331 Arts Chiyodaはいち早く震災復興支援に向けてアクションを起こしてきました。その中から生まれたのが東日本大震災復興支援プラットフォーム「わわプロジェクト」(運営:一般社団法人非営利芸術活動団体コマンドN)です。同プロジェクトが震災直後から手がけてきたのが、震災から一年後の2012年3月に開催された展覧会「つくることが生きること」でした。東北のアーティストをはじめ、さまざまなものづくりや震災復興に動いている人々とともに作り上げた展覧会は翌2013年3月にも行われ、もうひとつの被災地であり、復興地の神戸でも開かれました。当初はアートなんかに何ができるのか、という声も聞かれましたが、それは着実に実を付けてきていると感じています。

そして三年目の今年は『3.11映画祭』が開催されます。復興の道のりを歩む人々の姿や、原発事故に翻弄される人々の日常を追った作品など、それぞれの監督が多様な視点から捉えた東日本大震災に関するドキュメンタリー32作品が、3月9日(日)から22日間にわたって一挙上映されます。上映される作品の多くは、「311」(監督:森達也ほか)や「大津波のあとに」(監督:森元修一)といった震災直後に被災地や福島原発の取材に入り、ありのままを伝えようとした渾身のドキュメンタリーです。また直接震災を取り上げたものではありませんが、原発問題を追い続けている鎌仲ひとみ監督の作品も上映されます。



「311」(監督:森達也ほか)


そうした作品の中で、注目しているのは、独自の視点から被災地の人々の姿をとらえた作品です。失った家を同じ場所に立て直そうとする77歳のきこりを描いた「先祖になる」(監督:池谷 薫)、東北の太平洋沿岸部10か所での花火同時打ち上げを実現した一人の男の情熱と奇跡の花火をとらえた「LIGHT UP NIPPON 日本を照らした奇跡の花火」(監督:柿本ケンサク)、被災した犬や猫などの動物たちとその周囲の人々を見つめた「犬と猫と人間と2 動物たちの大震災」(監督:宍戸大裕)。津波被災者の対話を追い続けた東北記録映画「なみのおと」「なみのこえ」に続く第三部「うたうひと」(監督:酒井耕・濱口竜介)は、前二作における「百年」先への被災体験の伝承という課題に対し、東北地方伝承の民話語りから示唆を得た、伝承の民話語りが記録されています。


「LIGHT UP NIPPON 日本を照らした奇跡の花火」(監督:柿本ケンサク)



「うたうひと」(監督:酒井耕・濱口竜介)


また、いわゆるドキュメンタリー作家だけではない映画監督の作品も大いに期待しています。仙台出身の岩井俊二監督は震災以降に出会った人々、そして久しぶりに再会した友人と語る“日本の未来”を綴ったドキュメンタリーの「friends after 3.11《劇場版》」、中田秀夫監督は、原発問題へとシフトする報道では聞こえてこない津波被災地に生きる人々に密着したドキュメンタリー「3.11後を生きる」を。福島で開催された「LIVE福島 風とロックSUPER野馬追」のドキュメンタリー「あの日〜福島は生きている〜」(総合監修:是枝裕和 / 発起人:箭内道彦 / 監督:今中康平)も見逃せません。




「friends after 3.11《劇場版》」(監督:岩井俊二)


上映期間中は、監督や出演者、復興活動に携わる方々によるトークイベントも織り交ぜ、1日2〜3作品が上映されます。また、併設ショップ「3331 CUBE shop&gallery」では復興支援プロダクトショップ「わわや」の商品が販売されます。また、上映会場となりの103号室では、ジョルジュ・ルース・アートプロジェクトin宮城の作品展示も。(入場無料)。


僕は被災地・仙台の出身です。生まれも育ちも仙台。家族や親類はもちろん、高校までの友人たちがたくさん仙台にいます。埼玉に住んで20年以上になりますが、僕はいまでも仙台っこだし、これからもそう言うだろうと考えています。なのになのか、だからなのか、仙台を被災地と見ることができません。僕にとっての仙台は震災前の仙台で、日曜日の朝早くにひとりで自転車を飛ばしていった仙台港であり、夏休みに友達と遠出した貞山堀の木洩れ陽が僕の仙台なのです。

でも、僕はこの映画祭を通じて、いまの東北に触れ、震災にあらためて向き合う勇気が出てきたらと思いますし、またそれが必要なのです。僕の震災との戦いはまだこれからなのです。


【開催概要】
日程:2014年3月9日(日)〜30日(日)※22日間(休場日なし)
時間:上映時間は日によって異なります。(3月9日は18:00〜の1回のみ)
詳しくはスケジュール
会場:アーツ千代田 3331内 特設ギャラリー(末広町/秋葉原)
詳しくはアクセス
主催:わわプロジェクト(一般社団法人非営利芸術活動団体コマンドN)
共催:株式会社グローパス
協力:3331 Arts Chiyoda
料金:詳しくはチケット