2020年6月25日

台風災害から復旧。美術館への足、箱根登山電車が7月23日に営業運転再開!

箱根登山電車2000形
愛称は姉妹提携しているスイスのレーティッシュ鉄道の
サン・モリッツ駅にちなんだサン・モリッツ号


ポーラ美術館や箱根彫刻の森美術館、岡田美術館といった人気の美術館が多い日本を代表するリゾート・箱根。営業自粛が解除されても、まだまだ県を跨いでの移動が難しい状況です。活気を取り戻してほしい箱根ですが、本当に息を吹き返すには、重要な足の復活が不可欠でした。

その重要な足である『箱根登山電車』は、昨年の台風被害で全線運休となり、今秋の運転再開を目指して復旧作業をすすめていましたが、作業が大幅に進捗し、7月23日(木・祝)の始発から営業運転再開が決まりました。


箱根登山電車は、箱根の玄関口である箱根湯本駅と箱根観光周遊ルート「箱根ゴールデンコース」の要となる強羅駅を結ぶ路線で、3箇所の駅や信号所でスイッチバックをしながら、最大勾配80‰(パーミル)を登る箱根観光の目玉のひとつです。

その箱根登山電車が、2019年10月の「令和元年東日本台風(台風19号)」により甚大な被害が生じました。複数箇所で倒木や線路内に土砂流入、斜面の崩落や橋梁の流失といった深刻な被害が発生しました。そのため、2019年10月13日から箱根湯本~強羅間で長期間運転を見合わせ、復旧作業をすすめていました。




箱根登山電車モハ1形
1919年の開業時からの車両チキ1形を1950年に改造した車両
現在は写真の104号〜106号のみ運用されています

箱根登山電車の特徴のひとつが、客室からの前面展望が望めることです


箱根登山電車の営業運転再開により箱根ゴールデンコースが全面復活しますが、箱根登山電車の終点駅・強羅と箱根観光のクライマックスとも言える大涌谷、芦ノ湖へとつなぐ「箱根ロープウェイ」との結節点となる早雲山を結ぶ『箱根登山ケーブルカー』には、3月に実に25年ぶりに新型車両を導入。



2020年に就役した箱根登山ケーブルカーの新車両
1号車はバーミリオンはこね色、2号車は青空をイメージした青色に塗色


7月9日には早雲山駅に新駅舎と新スポット『cu-mo箱根(クーモハコネ)』がオープンしました。箱根外輪山や強羅の街なみ、相模湾を一望できる展望デッキが設けられ、ダイナミックな眺望が楽しめます。また、無料の足湯施設も併設しています。


早雲山駅にお目見えした新スポット『cu-mo箱根』の展望デッキからの眺望

箱根登山ケーブルカーと箱根ロープウェイの結節点となる早雲山駅の新駅舎


箱根登山電車と箱根登山ケーブルカーの沿線には数々の美術館・博物館があります。沿線でもっとも駅に近い美術館がそのまま駅名となっている「箱根彫刻の森美術館」です。最寄り駅は彫刻の森駅で駅から徒歩2分の近さ。車窓から野外に設置された彫刻作品も見える近さです。



《人とペガサス》カール・ミレス
(箱根 彫刻の森美術館)

《幸せをよぶシンフォニー彫刻》ガブリエル・ロアール
箱根 彫刻の森美術館)


浮世絵のコレクションが充実している『岡田美術館』もから比較的近くにあります。小涌谷駅からバスで2つ目。わずか2分で到着します。ユネッサンなどで知られる箱根小涌園に隣接している岡田美術館は美術館なのに、巨大な壁画を鑑賞シながら、足湯に浸かることができる、身も心も癒やされる美術館です。


岡田美術館の外観

国宝「風神雷神図屏風」をモチーフとした
大壁画《「風・刻」―天駆ける箱根の守り神―》福井江太郎

岡田美術館では『北斎の肉筆画』展を開催中


駅からはちょっと離れますが、箱根の美術館で『ポーラ美術館』を外すわけにはいきません。強羅駅から施設巡りバスで約13分。箱根の森深く入っていくさまは、車窓からでも本当のリゾートにきた気分を味わえ、一見して森の中に沈んだかのように見える美術館の外観に驚かされます。



箱根の森深くに立つポーラ美術館

ポーラ美術館。エントランスの前では《雪の子Ⅰ》板東優がお出迎え

ポーラ美術館では『モネとマティス ーもうひとつの楽園』展を開催中


[箱根登山電車 営業運転再開]
日時:2020年7月23日(木・祝)始発
箱根湯本駅発 5:50~/強羅駅発 5:23~
公式サイト
https://www.hakone-tozan.co.jp

箱根 彫刻の森美術館 公式サイト
https://www.hakone-oam.or.jp/

『生誕260年記念 北斎の肉筆画 版画・春画の名作とともに』開催概要
会期:2020年4月5日(日)~9月27日(日)
会場:岡田美術館
公式サイト
https://www.okada-museum.com

『モネとマティス ーもうひとつの楽園』開催概要
会期:2020年6月1日(月)~11月3日(火・祝)会期中無休会場:ポーラ美術館
公式サイト
https://www.polamuseum.or.jp/

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